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発生から9年になった熊本地震。2025年3月にようやく復旧方針が固まった熊本城の「本丸御殿」の内部に、熊本市の許可を得て入りました。

【写真を見る】【カメラが潜入】熊本城「本丸御殿」は今、どうなっている? 実は復旧完了後も「立ち入り禁止」の場所がある

実は、本丸御殿の復旧が終わったとしても「一部では立入禁止」が続くんです。その理由とは?

時が止まった本丸御殿

サクラの花がまだ残る城内。本丸御殿に足を踏みいれました。

福居万里子アナウンサー「壁にはひびが入ったままなんですね」
熊本城総合事務所 入田徹さん「そうですね、当時の状況のままです」

剥がれたままの漆喰(しっくい)や崩落寸前の部材。

地震発生直後から、本丸御殿は時が止まったままです。

これまで土台となる石垣の修復方法の検討に時間を要し手つかずでしたが、3月、ようやく復旧方針が決定しました。2027度に着工します。

華やかな大名文化の象徴として、豪華絢爛な装飾が復元された本丸御殿。

しかし、熊本地震でその障壁画は破損し、『照君之間』の床も傾きました。
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今回の取材ではその『照君之間』の先にある『数寄屋棟』に入ることはできませんでした。

入田さん「ここから先は特に石垣の被害が著しかったので、危険なエリアとして、きょうも立ち入りを遠慮いただきます」

本丸御殿で進む「3つの対応」

再び安全に観光客を迎えられるよう、今回、本丸御殿では被害状況に応じて3つの対応をとることになりました。

(1)土台となる石垣の被害が深刻なエリア

建物を解体し、石垣の積み直しから始めます。

例)『数寄屋棟』

(2)石垣の被害が比較的軽微だったエリア

石垣にはできるだけ手を加えず、鉄骨などで建物を補強するだけに留めます。

例)『照君之間』付近

(3)石垣を含めて『被害なし』と判断されたエリア

例)『小姓部屋』

…実はこの『被害なし』とされるエリアこそ、復旧後も立入禁止の場所なのです。

入田さん「ここから先(小姓部屋)が、修復が完了した後も『使用制限』というかたちで、一般の方は立ち入りできないエリアとなります」

被害がないのに、なぜ立ち入り禁止なのでしょうか?

入田さん「『文化財』として考えると、当時のものを触るのはできるだけ避けたい。被害がみられた場所ではないので、工事をしないという方針になっています」

大前提としてあるのは、文化財である石垣を保存すること。被害はないものの現時点では安全性を確認する術がなく、一般に開放できないのです。

入田さん「当時の技法や記録を残すことに価値がある。将来的に石垣の安全性が確保できれば、開放できると思います」

地図と過去の映像で見る「立ち入り禁止」エリア

本丸御殿の中で、安全性が確認できないために立ち入りができなくなるのは、見取り図の右側のエリア(『小姓部屋』)です。

地図上ではごく一部に見えますが、実は、2階に続く階段が含まれています。

地震前、2階では江戸時代の殿様の食事を再現した「本丸御膳」を食べる観光プログラムがありました。

食事を提供していた料理店によりますと、1日限定50食が毎日完売。観光客を中心に人気だったようです。

この料理店は、「いつかまた本丸御殿で提供したい」と話していました。

本丸御殿の復旧完了は、7年後の2032年度を予定しています。