NHKのネット同時配信が認可されたけど、インターネットを使っているだけで受信料の支払いが発生するの?

写真拡大

2月9日、総務省はNHKへ「放送と同時のインターネット配信」について認可を行う予定であると発表した。NHKは2015年度内のサービス開始を目指す。

NHKは、この認可により、地上波だけはなくインターネットを使った同時放送を行うことができるようになる。
ちなみに、今回の認可では、先に試験放送が行われるため、すぐにネット接続でNHKがずっと観られるわけではない。

では、具体的な内容はどのようなものになるのだろうか。

●2種類の試験放送を実施予定
NHKは当面、2種類の試験放送を実施する予定としている。

・試験的提供A
NHK総合/教育の中から、検証に適したスポーツイベントの生放送番組を年間5件程度以内、1件あたり4時間以内のネット配信を行うものとする。
つまり、サッカーや野球の中継を、4時間以内で、年間5件以内の放送をするというものだ。

・試験的提供B
受信契約者から参加者を募集(数千人〜1万人以内程度)し、1回あたり1週間から3カ月の提供とし、1日あたり16時間以内の放送を行うものとする。
こちらもNHK総合/教育の中で放送されている番組を放送と同時にネット配信を行うというものだ。

なお、今回の試験放送では、対価を求めない無料放送と、NHKオンデマンドのように個別の有料契約を行った人だけがその分を観られる有料放送がある。

●インターネットを使っているだけで受信料を支払うべき?
NHKがネット同時配信を行うようになると気になることがある。

インターネットを契約しているだけで、放送受信契約の取り扱いが変わるのかというところだ。
簡単に言うと、
テレビやワンセグ機器を持っていないが、ネットの繋がる機器を持っている人も受信料を支払う必要が発生するのかということだ。

この内容に対しては、総務省が返答をしている。

・無料放送については「利用者に対価を求めることなく実施する」
・有料放送については、「一般の求めに応じ」、有料で提供する

こととしているそうだ。

さらに、
「今回申請のあった業務を認可することにより、(放送)法第64条第1項に規定する「協会の放送を受信することのできる受信設備」の範囲や協会の放送受信契約の取扱いが変わるものではありません」
と、返答をしている。

したがって、現在の状態が変わるものではなさそうだ。
放送受信契約では、テレビの契約となっている(日本放送協会放送受信規約 第1条)ため、ネット試験配信がスタートしても契約はかわらない。

現時点では、インターネットを使ったネット同時配信がスタートしても、衛星放送のような追加契約は必要無さそうだ。

日本放送協会の放送法第20条第2項第2号及び第3号の業務の実施基準の認可|総務省


布施 繁樹