大仁会長「これは、これからの技術委員会で検討してもらうことだと思いますが、やはりこの先の短い準備期間しかないんですが、ワールドカップ予選に向けて、この日本代表チームをどう強いチームにしていくか。そういう観点から、技術委員会で今までの経緯も含めて、これから全力を上げて取り組んでもらいたいなと思っております」
 
――後任人事については、アギーレさんの時と同様、原さんと霜田さんが中心となって選ぶのでしょうか? それと後任候補は、すでに何人かリストアップしているのですか。
 
大仁会長「今までもそうですが、別に原と霜田が選んだということではなく、技術委員会で検討して、最終的に理事会、そして私を含めて決めたということです。今後の監督の選任については、技術委員会が中心になって行なうということです。後任については、この情報が出てから、いろんな対応を考えているなかで、技術委員会には万が一に備えて、そういう情報は集めておくように、ということは技術委員長には伝えておりました」
 
――技術委員会を中心に監督を選ぶということですが、大仁会長は今回の契約解除という件に関して、霜田技術委員長とはどういうやりとりをされたのでしょうか。
 
大仁会長「これは監督の指導力とかそういう問題ではないケースですので、私の方で今回はやむを得ないと。ワールドカップ予選への影響を考えると、これは契約を解除せざるを得ないということを霜田委員長に伝えましたが、そう検討をするようにと。情報収集するようにと伝えておいた時にも、そういう話をしております」
 
――後任候補には、日本人も含まれているのでしょうか?
 
大仁会長「技術委員会は、どの国の人間でということを前提に検討はしていませんし、それは私の方からそういう話もしていません。最も相応しい人を選ぶ、それが大前提だと思っています」
 
――3月の親善試合は、監督代行で臨む可能性も残っているのでしょうか?
 
大仁会長「なんとしてもそれまでには間に合わせたいと思っていますが、間に合わせ人事はしたくないので、その可能性がゼロとは言えません」
■会長自身を含む関係者の責任問題
 
――資料にある今後の役員の方々の処分についてですが、理事会にはいつまでに諮る予定ですか?
 
大仁会長「2月の理事会に諮りたいと思います」
 
――資料には「私も含めて役員や関わった責任者に対する処分」とありますが、今回の結論に至ったことに対し、会長自身の責任をどう考えていますか?
 
大仁会長「先ほど申し上げましたように、アギーレ監督を選んだことが間違いでなかったと、あの時点でこういう情報はなかったですし、彼の高い能力からすれば、選任したことについて間違いではなかったと私は思っています。ただこういう結果になったということで、代表チームの選手にも申し訳なかったと思いますし、ファンやサポーター、それからスポンサーの皆様、それからサッカー関係者の皆様に大変ご心配をかけたという意味で、責任は感じております」
 
――「あの時点でこういう情報が出ていてなかった」と話されましたが、まったくなかったわけではなく、調べれば分かったかもしれない。ザッケローニ監督は違いましたが、今までの日本代表の監督は、ほとんどが日本でお仕事された方ばかりで、こういったことに巻き込まれるというケースが今までの日本代表にはなかったと思います。そのことに関して、お願いします。
 
大仁会長「それについては、私どもも今回反省しております。もっとしっかりと調べておくべきだったと。あの時点でそれが分かったかどうかは分かりませんが、今後はそういうことのないようにしっかり調べたいと思っております」
 
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 以上が日本協会で行なわれたアギーレ監督との契約解除に関する会見での一問一答である。
 
 告発の受理によって、今後アギーレ監督が裁判所に召喚され、起訴される可能性も考えれば、契約解除は妥当な判断だと言える。一方で3月の国際親善試合、6月からのワールドカップ予選を控える日本代表にとっては暗雲立ち込める事態であり、早急な後任人事が求められるが、いずれにせよ新監督の下でまた新たにチーム作りを強いられる点で、その影響はゼロではない。
 
 そうした意味でも、大仁会長が言う「私を含む役員や関わった責任者に対する処分」がいかなるものになるのか。後任監督選びとともに、2月に開かれる理事会の動向が注目される。