2月3日の午後2時に大仁会長から契約解除の旨を伝えられたというアギーレ監督。(C) SOCCER DIGEST

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 日本サッカー協会は2月3日、日本代表のハビエル・アギーレ監督の八百長疑惑に関する検察側の告発を受理したという事実確認を受け、同監督との契約を解除するという結論に至った。
 
 同日の17時から、日本協会の大仁邦彌会長、三好豊法務委員長が出席した会見では、冒頭で大仁会長がアギーレ監督との契約解除を報告した。
 
 解任の最大の理由として、大仁会長は「一番考えなければいけないのは、日本代表チームにどういう影響を与えるのかということ」と語り、今回の告発受理によって八百長疑惑の捜査が開始され、起訴、裁判へとつながる可能性を指摘し、2018年のロシア・ワールドカップ・アジア予選への懸念を挙げた。
 
 同時に、アギーレ監督が八百長に関与したという事実はいまだ確認されておらず、八百長疑惑そのものが契約解除の理由ではないと強調。「無実の証明に全力を尽くしてほしいと考えている」とアギーレ監督の現状を慮った。
 
 その後、メディア側から大仁会長と三好法務委員長に対し、質疑応答がなされたが、質問のポイントは主に次の3つに分かれた。
 
■契約解除の経緯について
■後任人事についての考え
■会長自身を含む関係者の責任問題
 
 以下は、会見での一問一答。質問の順番はテーマごとに入れ替えた。
 
■契約解除の経緯について
 
――今回の決断に関して、様々な情報があったなかで、もっと早く決断できたのではないかという意見もあると思いますが、このタイミングでの決断になったのは?
 
大仁会長「我々はアギーレ監督の手腕・力量を高く評価しております。これまでの日本代表のチーム作りにも高い評価を与えている。したがって、今回の告発が受理されなければ、なんの問題もなく、今後もこの体制でいけると考えていました。その点を見極める必要があったので、このタイミングになったということです」
 
――アギーレ監督に契約解除の話を伝えた時に、監督はなんと言っていたのか。また、会長はもし告発が受理されたら解任するという決断を、いつ頃から考えていたのか教えて下さい。
 
大仁会長「アギーレ監督がオーストラリアから帰りまして、報告に来た時に、一度私の方から、『もし受理されたら非常に厳しい状況になるということは理解してほしい』と、すでに伝えてありました。今回、この告発が受理されたということで、日本代表の活動に大きな影響、ワールドカップ予選に臨むうえで大きな影響が出てしまう。そういう理由から解約したいということで、理解してもらったというふうに思います。
 
 いつ決断したかにつきましては、我々もいろんな状況を想定しておりましたが、この受理されたというところでこのような決断に達したということです」
 
――アギーレさんは何と言ったのでしょうか?
 
大仁会長「やむを得ない、と。分かりました、ということです」
 
――昨日の夜遅くに告発状の受理を確認したということですが、だいたい何時ぐらいだったのか。どういう形で耳に入ったのでしょうか?
 
大仁会長「夕方から連絡はとっていたんですが、なかなか連絡がつかず、アギーレ監督の代理人の弁護士と、これまでもずっと毎日のように連絡をとっておりました。昨日その時間が遅くなって、12時近くにようやく連絡がついて、その事実が確認できました」
 
――法務委員長は、自身の立場で今回の契約解除をどのように判断し、どのように考えているのでしょうか?
 
三好法務委員長「今、会長から申し上げた通りですね、解除の理由は、アギーレ監督が八百長に関与したという事実を協会が確認したからということではない。この告発の受理というのはあくまでも捜査が正式に開始されるという、そういう効果を持っているだけのものであります。この捜査のあと、起訴をするかどうかという判断があり、最終的に起訴された場合に判決が出て、そこで八百長があったのか、なかったのかということが、裁判所によって正式に判断される。そういうプロセスなわけです。