さらに、美智子皇后も同様の理由で透明ビニール傘を用いていると紹介した。

 記事は透明ビニール傘について、北野武さんが出演した2000年の映画「バトル・ロワイアル」(深作欣二監督)が欧米で上映された時に、作品中にしばしば登場する透明傘が欧州の観衆に注目を集めたと指摘。

 「ここに至り、透明雨傘はついに世界各地に広まった。普通の人の消費行動の選択肢のひとつになった」と論じ、最後の部分で、英国のエリザベス女王が透明なビニール傘を用いている写真を数点掲載し、「英国女王も透明傘が大のお気に入りという」と書き添えた。

**********

◆解説◆
 記事は、シベリア抑留という極限状況から帰国した須藤三男氏が、自社の倒産危機という極めて厳しい状況にもあきらめず、懸命に考えることで傘袋というヒット商品を登場させたことや、その後もさまざまな困難に遭遇するたびに、知恵と努力で成功を勝ち取ったと強調した。

 中国ではこれまで、松下幸之助氏のような、「経済界の巨人」の著書や伝記が紹介されることは時おりあったが、ホワイトローズのような、言ってみれば「ニッチ企業」が紹介されることは、それほど多くなかった。

 上記記事は、傘袋の成功を描写する部分で、「街を歩く人はだれもホワイトローズのブランド名は知らないが、傘袋は巨大な成功を獲得した」と記述した。読者にに対して、「自分が知らないだけで、日本人が手がけて成功した分野はまだほかにもあるかもしれない」との印象を持たせる書き方だ。

 記事は全体として、日本人、とりわけ日本の企業人に対する読者の「尊敬」を高める書き方を貫いている。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)