中国メディアの中国経営網は15日、トヨタ自動車の高級自動車ブランド「レクサス」が中国市場で苦戦していることを伝え、「レクサスの販売店にとって今年の冬はいつになく寒く感じられることだろう」と論じた。(イメージ写真提供:(C) teddyleung/123RF.COM)

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 中国メディアの中国経営網は15日、トヨタ自動車の高級自動車ブランド「レクサス」が中国市場で苦戦していることを伝え、「レクサスの販売店にとって今年の冬はいつになく寒く感じられることだろう」と論じた。

 記事は、北京市内においてレクサスの販売店が最大で20万元(約386万円)にも達する優待サービスを提供しているとしながらも、販売店の関係者の言葉として「赤字にならないようにするのが精一杯で、利益はない」、「生き残りに向けた圧力は年々増加している」と伝えた。

 続けて、中国高級車市場でレクサスはイギリスのランドローバーやスウェーデンのボルボといったブランドにも販売ランキングで抜かれてしまったと紹介。さらに、174万元(約3362万円)が定価とされているレクサスLX570について、「数年前、定価で販売していれば販売店は13万元(約251万円)の利益となったが、現在は20万元も値下げしなければ売れない状況」とし、販売店は7万元(約135万円)の赤字になる計算だと伝えた。

 また、「新車販売で赤字だとしても、アフターサービスが収入につながるため、販売店は赤字を覚悟で販売している」としながらも、レクサス側が販売店を増やし続けているため「既存の販売店にとっては見込んでいたアフターサービス収入も分散化する危機に直面している」と指摘した。

 記事はレクサスは2004年に中国で正式な販売を開始したことを紹介、「当時は3年連続で販売台数の増加率が100%を超えた」と好調だったことを伝え、その背後にはトヨタの中国法人である、トヨタ自動車投資有限会社の副総経理だった曾林堂氏という人物の指揮があったと指摘。さらに、曾林堂氏は自ら販売店に出向いて販売教習を実施すると同時に、販売店における動向や消費者ニーズを自ら汲み上げていたと紹介した。

 だが、2011年に曾林堂氏が退職すると、「販売台数の伸びを保つことができなかった」としながらも、「販売店の増加ペースは落ちなかった」と指摘。さらに、販売チャネルの最適化が図れていないことのほかに、記事は「新車投入の速度が遅いこと」、「中国国内での生産を行っていないこと」の2点を挙げ、レクサス中国自動車市場の成長に乗り切れていないとの見方を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C) teddyleung/123RF.COM)