使いこなせてなんぼ!台風19号でも役だった局地的な大雨やゲリラ豪雨も避けられた雨レーダーアプリ活用のコツ
今回は、そんな豪雨や台風という雨災害に対する情報アプリを実際に活用する方法とコツを紹介しよう。
●豪雨をもたらす予兆を確認できる「あめXMP」と「XバンドMPレーダ」
国土交通省は近年の豪雨対策として、従来の広域レーダに加え、より早く、より詳細に観測できる、XバンドMPレーダ雨量観測・XRAINの運用を開始し、情報を提供している。
この情報では、1分毎におよそ250m四方という非常に細かい降雨の情報を知ることができる。この1分毎というリアルライムに近い情報が、刻々と変わる台風やゲリラ豪雨の状況すら把握することができる。
無料のAndroidアプリ「あめXMP」とiPhoneアプリ「XバンドMPレーダ」は、このXRAINの画像が閲覧できるアプリだ。1時間前からの雨量の推移をマップで確認できる。なお、Xバンドの画像を確認できる地域は、桜島周辺、熊本、九州北部、広島、岡山、近畿、中部・静岡、富山・石川、新潟、関東、福島、岩手・宮城、札幌周辺のエリアに限定されているので注意が必要だ。
●便利なアプリも使いこなせないと宝の持ち腐れ?
さて、このXバンド観覧アプリだが、実際には「どうみればいいの?」、「どう予想すればいいの?」という人も多いようだ。
アプリを起動させて画面をみれば、降水場所や雨雲の移動方向などは、なんとなくわかる。
問題は、その画像の何が危険で、何が安全なのかだ。
この手のアプリでは、雨の降水量は、色の違いで表示されている。
緑→黄色→赤と、降雨強度が分類されている。つまり、赤いエリアが自分の居場所の近くにあったり、近づいてきたりしたら、危険ということだ。
あめXMP
●自分の位置を表示、状況をみる
まずは自分の住む地域(関東や広島など)のXバンドの観測点のエリアを選ぶ。エリアを選ぶとその地域のマップと降雨量データがグラフィックとして表示されるはずだ。更に「現在地」をタップするとエリア内にGPSで判別された現在地が表示される。
マップの縮尺はピンチインピンチアウトで拡大縮小ができるので、見やすいように調整してみよう。
GPSで現在地も特定できる
●どのタイミングで危険と判断すればいいのか?
あめXMPでは現在時刻から、1時間の降雨強度の移り変わりを確認できる。
マップ上の降雨強度を色で表したグラフィックの黄色や赤の部分が、徐々に近づいていれば、それは激しい雨のエリアが近づいていると判断できる。さらにマップ上の青いエリアが黄色や赤に変化しながら近づいてきている場合は、雨雲が急激に成長していると思われるので注意が必要だ。
1時間の降雨強度の移り変わりで予想できる
●どの段階で安全だと判断すればいいのか
実際に台風19号のさなか、Xバンドのアプリは非常に活躍をしてくれた。
今回の台風でテレビやメディアでは、台風の目を中心にした影響と進路が報道されていたが、実際、筆者の地域では、上陸前の雨風の影響の方が大きかった。
キャリア各社の緊急速報で避難勧告などが届く中、ピンポイントで「これから、もっと雨は降るのか?」、「このあと、雨は弱まるのか?」と情報が欲しいという時間帯が多々あったのだ。
避難場所に移動するにも、いつ動けばいいのか?という時も、実際にあめXMPを使って確認できたので便利だった。降雨強度のエリアが自分の現在地を通過、今後はどうなるのかを予想し移動もできた。また、台風が上陸後、予報の強風域を脱する前に雨が収まった際も、雨の状態を確認できたので外出の判断がしやすかった。
身をもって体験できたXバンドを観覧できるアプリの精度の高さだったが、あめXMPでみるかぎり、水色のエリアに入れば、体感上で感じる雨が上がっているケースが多いこともわかった。今回は、台風なので雨が上がっても、強風の危険は依然としてあったので慎重に行動しなければならなかったが、ゲリラ豪雨のような場合なら水色エリアに入れば、外出など行動をする参考にしてもよさそうである。
●雨レーダーアプリ活用の問題点
このように記事を執筆時にちょうど台風が通過し、Xバンド観覧アプリを実際の台風という状況下で効果の確認することができた。しかし、この便利なアプリにも、いくつかの問題もあることにも気がついた。
まず、Xバンド観覧アプリはあくまで雨雲の情報を観覧するアプリなので、状況の判断は利用する個人にゆだねられるということだ。また、今回の台風のような場合では風の強さなどが確認できない点だ。強風の影響もあるケースの場合は、「Yahoo!災害速報」などの警報や注意報が確認できるアプリも併用したほうがより正確な安全情報を取得できると思われる。
また、先にも書いたがXバンドの設置されている観測地点外は対象外という点は注意が必要だ。
対象外の地域の人は、気象庁のデータをまとめた広域情報の「Amemil」などを利用するしかないが、Xバンドほど詳細な地域情報ではないので過信するのは禁物だ。Xバンドの対応地域の拡大については、今後に期待したい。
・ あめXMP(Andtroid)
・ XバンドMPレーダ(iPhone)
甲斐寿憲

