【米国はこう見ている】移籍市場でも評価が高い上原浩治 現地メディアのアンケートではトレードか否かで読者の意見が真っ二つに割れる
厳しい現実にファンは苦悩
ア・リーグ東地区最下位に低迷するレッドソックスの上原浩治投手に関してトレードの噂が高まっている中、ESPNが読者に緊急アンケートを実施。トレードに出すべきかどうかのアンケートで意見が真っ二つに割れている。
レッドソックスのトレード特集では上原に加え、オールスターに出場した先発エースのジョン・レスター投手やトレードの可能性が高くなっているジェイク・ピービー投手ら12選手がリストアップされている。アメリカ東海岸時間17日23時時点で上原のトレードの是非に対する投票は合計12095票。うちイエスが約51%、ノーは約49%とファンの間でも守護神に対する去就の意見は真っ二つに割れている。
上原以外で12選手の中で意見がこれほどはっきりと二分しているのは、故障者リストに入っているウィル・ミドルブルックス三塁手のトレード賛成50%、反対50%のみ。人気の高い上原に対するファンの苦悩がにじみ出ている。この12選手のリストからは中継ぎのエース、田澤純一投手は入っていなかった。
今季43勝52敗の借金9でア・リーグ東地区のどん底に沈むレッドソックスはすでにプレーオフ進出が厳しくなっている。トレード期限は7月31日。プレーオフ進出の可能性が薄くなっているレッドソックスは今季を諦めて来年以降の巻き返しを図るなら、移籍市場で価値の高いベテランを放出し、有望な若手の獲得に動くことになる。
地元紙ボストングローブに対し、ジョン・ファレル監督は「多くの人間が(トレードの可能性に)関わっており、選手は当然様々な噂に注意を払うことになる。時間が経てばわかることだが、今は球界全体が(トレードで)忙しい時期。これからどんどんトレードの噂が出てくることは間違いないが、それが実現するまでは、それぞれの持ち場で集中するしかない。毎日、毎晩、試合に勝つために集中するしかない」と厳しい現実を語っている。
昨年のワールドシリーズ王者が苦闘する中、上原の活躍は今年も目覚ましい。
今季5勝2敗18セーブ。防御率は1・65。今季限りで契約満了となる39歳の日本人右腕は移籍市場でも評価が高く、地元メディアの間では、優勝争いを展開する球団でブルペンの補強が必要なタイガースなどがトレード先の候補として挙がっている。
ESPNのレッドソックス番記者ゴードン・エデス記者はこのトレード企画の特集で上原について、「もしも、いい選手が獲得できるなら、トレードに出すべし」と主張している。
昨年からの大活躍でボストンの人気者となった上原への愛情と、再建のための若手のトレードの必要性という現実の狭間で苦しむレッドソックスファン。絶対守護神の去就が注目される。