上原はトレードの噂で集中できない?

 15日(日本時間16日)に行われるオールスターゲームで初出場となるレッドソックス上原浩治投手の去就問題がオールスター前夜に大きな話題となっている。ESPNが「ウエハラと家族がオールスターの経験を満喫する」という見出しで報じている。

 記事は「ウエハラの息子は父親が去就についての質問に答えている間、父親の携帯で遊び、シャツを引っ張るなどの“妨害”を続けていた」という一文で始まり、出場選手の家族も参加するメジャーのオールスターならではの風景を伝えている。

 上原自身も地元メディアの質問に通訳を介して、「日本ではこんなことはあり得ません。オールスターゲームに家族や子供を連れていけるのは間違いなく楽しいですよ」と語っている。

 昨年ワールドシリーズ優勝の立役者となった上原が家族の前で去就についての質問を答えなければいけないのは、苦しいチーム事情も影響している。レッドソックスは今季43勝52敗で借金9。ア・リーグ東地区で同じく下馬評の高かったレイズとともにどん底に沈んでいる。

 記事では上原を取り巻く状況について「ここ2シーズンで44回のセーブ機会で39回成功している男をレッドソックスが高値で売却しようというトレードが噂にあがり、ウエハラもなかなか集中できない状況になっている」と分析。現地では、いまだ圧倒的な投球を見せている39歳のベテラン右腕と引き換えに、レッドソックスが他球団の若手有望株を獲得するのではという見方もある。一方、2011年に苦戦していたオリオールズからレンジャーズにトレードに出された経験がある上原は「3年前に経験しているので、自分自身冷静でいられる。間違いなくレッドソックスでキャリアを続けていきたいと思う。でも、それは自分で決められることではない」と語っているという。

 上原は今季限りでレッドソックスと契約満了になるため、半年後に見返りなしの移籍となる前に球団がトレードに出す可能性もあるという。今季5勝2敗18セーブで防御率は1・65。地元メディアの間では、優勝争いを展開する球団でブルペン補強が必要なタイガースなどがトレード先の候補として挙がっている。39歳にして引っ張りだことなっている守護神の去就から目が離せない。