【米国はこう見ている】上原浩治のオールスター代替選出は過小評価 レッドソックス監督は「圧倒的な結果を積み上げている」

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ファレル監督は球速により上原が過小評価されている可能性を指摘

 レッドソックスのジョン・ファレル監督が今季5勝2敗18セーブで防御率1・65という優秀な成績を残し、15日(日本時間16日)のオールスターゲームで追加選出となった守護神、上原浩治投手について、ファストボールのスピードという一点で過小評価されていると分析している。ESPNが「(クレイ)バックホルツの先発でブレーク前を締めくくる」という特集記事で報じている。

 昨年ワールドシリーズ優勝を果たしたレッドソックスのファレル監督はオールスター戦でア・リーグを率いる。昨年のワールドシリーズ制覇に貢献した上原は今季の活躍により、オールスター選出が有力視されていたが、当初の発表ではメンバー入りせず、ヤンキースの田中将大投手の負傷により、代替選手として追加選出された。

 前半戦はデーゲームで打ち込まれることもあった上原だが、今季最初の31試合は防御率0・57と驚異的な数字をたたき出した。それでも、選手間投票で選ばれる投手部門で絶対守護神がストレート選出されなかった理由を、ファレル監督はこう語っている。

「個人的には球速と直接関係していると思う。彼は典型的なパワー型のどんな(偉大な)クローザーとも同じような圧倒的な結果を積み上げている。コウジ(の速球)は88から90マイル(141キロから144キロ)。時速90マイル終盤(160キロ手前)を記録するようなタイプではないからといって、彼のピッチングが効果的ではないということはない」

 39歳にして、メジャーで大活躍する上原の素晴らしさは制球力の高さや多種多様な変化を見せるスプリットの切れ味、ファストボールのキレを高める投球術、ストライクゾーンで大胆に勝負するマウンド度胸など枚挙に暇がない。過小評価ともいえるオールスターの代替選出の裏にはスピードガンの数値が影響しているとファレル監督は指摘している。

 一方、「もしも、ア・リーグが終盤わずかな得点差でリードしている時に、コウジ ウエハラを喜んで起用するか?」と地元メディアから質問を受けた指揮官は「最高に優秀な選手の中から多くの選手を起用することになる。できるだけ、多くの選手をフィールドに送りださなければいけない。同時に試合にも勝たなければいけない」と語るに留まり、守護神起用についての明言は避けた。