新しい Firefox ブラウザで「Mojo」の復活を図る Mozilla

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Mozilla が Firefox のメジャー・アップデートを行った。すっきりとしたデザインになり、ツールバー等がカスタマイズ可能になり、新しい「Firefox Sync」サービスによって異なるデバイス間での同期が容易に行えるようになった。

今回リリースされたデスクトップブラウザのバージョン29では、現在アクティブになっているブラウザ・タグにフォーカスが当たって判別しやすくなり、Firefox メニューはツールバーの右隅にあるボタンのドロップダウンメニューとしてまとめられた。Mozilla が2月にスタートしたログイン・サービス「Firefox Accounts」を利用すると、「Firefox Sync」という同期機能が閲覧履歴、パスワード、ブックマーク、タブ、フォームデータ等を保存し、他のデスクトップ端末や Android のモバイル端末でも引き継げるようになる。

Firefox の開発チームは長い間、着実にパフォーマンスの改善に取り組んできた。前回 Firefox に大幅なアップデートが行われてから既に2年が経っているが、今回ようやくその外観が中身のスマートさに追いついたようだ。

残念ながら、最近 Mozilla が巻き起こした事件によって、Firefox 開発チームの技術的な功績は影が薄れてしまっている。

先月、デートアプリ「OKCupid 」は、ブレンダン・アイヒが Mozilla の CEO に選出されたことへの抗議運動として、Firefox ブラウザのボイコットを呼びかけた。ブレンダン・アイヒは Mozilla の前 CTO(最高技術責任者)であったが、過去に同性婚を禁止する法律を支持するための寄付を行っていたという事実が、一部の Mozilla 従業員やユーザーを警戒させたのである。この反感をどうにもできないと分かり、アイヒは11日後に辞表を提出するはめになった。

低下する Firefox のマーケットシェア(デスクトップブラウザでは、グーグルの Chrome とマイクロソフトの Internet Explorerに続いて3位)を考えれば、Mozilla がユーザーを呼び戻すためにできることは何でもするというのは当然のことだろう(例えば、デザインの一部を Chrome から借りてくるとか)。

ひとつ、Mozilla にとって運の良かった点がある。それはリリースのタイミングだ。ちょうど、マイクロソフトのブラウザで発見された重大なセキュリティホールの修正が完了するまでの間、Internet Explorer 以外のブラウザを使うように、政府が人々に勧告した次の日だったのである。Firefox 29 のプロモーション動画では、Mozilla はユーザーのプライバシーを尊重するという点が強調されている。

Adriana Lee
[原文]