三越伊勢丹ホールディングスの子会社の三越伊勢丹と、三越不動産三越伊勢丹の子会社)の両社は8日、野村不動産(野村不動産ホールディングスの子会社)と資本業務提携したと発表した。

 提携は、三越不動産の株式のうち9,628株を野村不動産に譲渡する。それにより野村不動産は三越不動産株式の約5%を保有することになる。

 提携による共同事業の第一弾として、三越不動産と野村不動産は、三越不動産の所有する名古屋地区の不動産を活用して、マンション分譲事業に乗り出す。また、共同事業の推進に当たっては、三越伊勢丹による家具販売会の実施など、「顧客に満足していただけるさまざまな事業にも取り組んでいく」としている。

 三越伊勢丹グループは、グループビジョンで「上質で新しいライフスタイルの創造」を掲げ、高収益の小売サービス業の実現をめざしている。その一環として三越不動産では、都内を中心に居住用不動産の賃貸事業を展開し、顧客への、快適で心地よい居住空間の提供に力を入れている。

 一方、野村不動産は「PROUD(プラウド)」ブランドを通じ、マンションの企画・設計から販売、管理までを手がけており、「住む人々が『誇り』と感じられる住まいづくり」(野村不動産)に取り組んでいる。

 今回の提携は、三越伊勢丹、野村不動産双方による、そうした事業の方向性の合致によるとみられるが、最近のマンション需要の拡大やマンションの“都心回帰”の動きも背景にあるとみられる。