ネット上から自分自身を消す方法

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デジタルソーシャルライフは、やめようと思えばやめることもできる。もちろんそれなりの覚悟を伴うが。

今や私たちの生活は大部分がインターネットを中心に動いている。Facebook や Twitter、LinkedIn、Eメールなどのオンラインアカウントを開かずに1日を過ごすなんてことはほとんどない。一日中オンラインタブを開きっぱなしにしている人もいるだろう。

しかしこの開放性のために困ったことも起きている。技術系の企業に膨大な量の調査が課せられているのだ。その内容は、プライバシーポリシーの矛盾といったものから政府によるユーザーデータの傍受まで幅広い。インターネットユーザーはプライバシー問題に関心を持つようになってきており、多くの人がオンライン上でどこまでデータを共有すべきかという点に疑問を持ち始めている。中にはプライバシー侵害に気がついて、アカウントを削除する人も出てきた。

個人の些細な出来事をシェアしたり「いいね」をしたりすることも、それがノイズになったり過剰なプレッシャーを与えるようになるととたんに輝きが失せる。ReadWrite のメンバーでさえも、デジタルライフを放棄せざるを得ないと感じている人がいるほどだ。

もしも本気でオンライン上のプロフィールを消すつもりなら、ちょっとした覚悟が必要だ。インターネット上から自分の情報を完全に消すことは、考えているよりもずっと難しいのである。

1. ソーシャルサイトにさよならを

アカウントを正式に削除する際には、まず最初に全ての関連データをできるだけ確実にダウンロードしておこう。

Facebook と Twitter のアーカイブは一般の設定からダウンロードできるし、LinkedIn のつながりはコンタクト設定からエクスポートすることができる。

ソーシャルサイトから永久にサインオフする準備ができたら、サイトの設定ページに行き、アカウントを「非アクティブ化する」か「閉じる」を選ぶ。LinkedIn と Twitter では簡単にできるが、Facebook と Google は少しややこしい。

もしかしたら自分が Google+ アカウントを持っていることにすら気付いていない人もいるかもしれない。Google+ は Google が提供するソーシャルサービスで、このアカウントが Gmail から YouTube に至るまで、すべての Google アプリケーションを結びつけている。数か月以内に YouTube でコメントしたか、あるいはGoogle アカウントを使ってソーシャルサービスに接続したことがあるなら、あなたは Google+ アカウントを持っているはずである。

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Google+ のプロフィールを持っていることに気づきさえすれば、アカウントを削除することは簡単だ。単に Google+ プロフィールの設定ページに行き、自分のアカウントをすべて無効にすればいい。

Facebook をやめたい場合、Facebook 側はセキュリティ設定ページでプロフィールを「非アクティブ化」することを勧めてくるだろう。永久に去るのではなく、いつか戻りたくなったときのためにユーザー情報をサイトに残すやり方だ。この方法は、ユーザーと会社の両方にメリットがある。Facebook はたとえユーザーは失ったとしても、ユーザーの情報までは失いたくないのである。

フェイスブックのアカウントを完全に削除するためには、所定の入力フォームを埋め、サービスを完全に離れる理由を Facebook に伝えなければならない。

2. 残りのアカウントも削除しよう

自分のEメールアドレスに紐づいたアカウントを持っているのに、その存在を忘れてしまっているウェブサイトがあるかもしれない。そんなときは Just Delete Me が記憶を呼び覚ます手助けをしてくれるだろう。このサービスは、300以上のウェブサービスに関連したアカウントの削除に役立つリンクの一覧を提供している。Facebook や Twitter だけでなく、Craigslist や Groupon のような、一度使っただけで忘れてしまったようなサイトも載っている。

Just Delete Me は、インターネットからアカウントを削除するのは簡単だ(あるいは不可能だ)という固定観念を打ち砕き、実行するためのリソースに直接導いてくれる。また、Chrome の拡張機能も提供している。これはブラウザのオムニバーに小さな点を追加し、Just Delete Me に掲載されているサイト上にいることを知らせてくれるものだ。点をクリックすると、そのサービスの「削除」ページに行くことができる。

3. 不便であることを理解しよう

私がアカウントを削除することを躊躇する理由の1つは、自分が ReadWrite のソーシャル担当ライターであることの他に、自分のオンラインライフが Facebook や Twitter 、LinkedIn のアカウントと非常に強く結びついていることにある。

新しいウェブサイトやアプリケーションを使うときに「Facebook でログイン」ボタンを押すのは、もうほとんど癖になってしまっている。iPhone に入っているアプリの一部は、ソーシャルサイトにログインしないと利用できない。Lyft や Uber のようなオンデマンドの自動車サービス、ジョギングアプリの「RunKeeper」なんかがそれだ。

大多数のアプリには他のログインオプションも用意されているが、Facebook にはすでに自分のデータがすべて登録されているのでとても便利なのだ。Facebook ログインを使わないとなると、新しいサービスを使い始めるたびにそれぞれ個別のアカウントを設定しなければならなくなる。

ソーシャルアカウントの放棄には代償が伴う。他のアプリケーションやサービスの使い勝手が悪くなるばかりか、時には全く使えなくなることもあるのだ。

昨年、YouTube 動画にコメントを投稿するのに Google+ アカウントが要求されるようになったときには、当然非難が巻き起こった。YouTube の創設者であるジョード・カリムもまた、非難のコメントの嵐に巻き込まれた。Google の新しいポリシーへの質問に答えるため、彼は8年間で初めてコメントを投稿するはめになったのである。

Google+ を捨てれば、YouTube にコメントできなくなる。Facebook と縁を切れば、別のサイトやサービスにログインするのが面倒になる。さらに Lyft のように、Facebook のログインを必須とするアプリもある。Facebook のアカウントがなければ、Lyft も使えないのだ。

これまで我々が Facebook その他のソーシャルアプリケーションに喜んで自分たちのデータを提供してきたのは、単にそれがトータルとして自分たちの生活を便利にしてくれたからだ。マーク・ザッカーバーグが、最終的には全てを統合するという Facebook の路線をこのまま推し進めていけば、さまざまなソーシャルアカウントを「マスターアカウント」から切り離すことはいずれ不可能になるだろう。

4. 意図しない結果も受け入れよう

たとえソーシャルアカウントを削除したとしても、デジタルライフの一部は永遠に刻まれたままとなり、それについては我々はどうすることもできない。

2013年、米国議会図書館はすべてのツイートを継続的に収集・管理するというTwitter との取り決めに合意した。つまり、2006年以降に公開したツイートはすべて政府の所有となり、たとえアカウントを削除しても、それが消えることはないのである。

Facebook ユーザーもまた、ユーザーの意思とは関係なく自分たちのデータがソーシャルネットワークによって蓄積されていることを学んだ。昨年 Facebook がユーザーデータをいわゆる「シャドープロファイル」に結び付けていたことが発覚した後、同社はユーザーによる厳しい批判を受けた。シャドープロファイルとはユーザーのEメールと電話番号のデータベースで、Facebook がユーザーの連絡先にアクセスする許可を求めた際に集められたものだ。Facebook の DYI(Download Your Information)というツールを使うことで、こうした情報がユーザーの友達に共有されてしまっていたのである。

Facebook は何百万人分ものデータを集めており、世界中の人の「シャドープロファイル」を作成している。中にはFacebook アカウントを持っていない人のデータまで含まれているという。たとえあなたが自分のアカウントを削除したとしても、友達の誰かがあなたの電話番号やEメールアドレスをアドレス帳に保存していて、 Facebookにアクセス許可を与えていたら、それはFacebook サーバーに残ってしまうのである。

個人情報をインターネット上から完全に削除できないこと以外にも、アカウントの削除に関するデメリットは存在する。

オンライン求人サイト HiringSolved の創業者で CEO のション・バートンによれば、各企業はオンライン上で検索できない人物を雇用することに対し懐疑的であるという。

「オンライン上でまったく追跡ができないと、秘密にする理由がはっきりしない限り雇用主は、国家安全保障局の分析官かあるいは何か機密に関わっている人物なのではないかと考えてしまい、不安になるのだ」とバートンは言う。「ソーシャル上に存在しないと雇用主に疑念を生じさせることになる。その場合応募者がどのように答えるかが重要になるだろう。」

多くの人は、雇い主になるかもしれない相手から個人的な生活を隠そうとするものだが、LinkedIn のようなサービスを利用すると、自分の職歴を提供するデジタルプロフィールを持つことになる。

オンライン上の存在を消し去ることで、個人的な関係にも悪影響を及ぼすことがある。オンラインの出会い系サービスに人気が集まるにつれて、他人の記録を検索したいという要望が高まっている。多くの人は、オンライン上に存在しない個人は疑わしいとみなす可能性があるのだ(私の親友は、私がオンラインで出会った男性が検索で見つからなかったと言って厳しく問いつめてきたことがある)。友達関係さえも、通常であれば「いいね」ボタンをクリックすることで簡単に維持できていたのが、イベントの招待状を広めるとか、写真にタグ付けするなど簡単でない作業が必要になってきて崩壊し始める可能性がある。

Eメールアドレスを持っているか、銀行またはショッピング、事業取引などのオンラインサービスを使っているなら、インターネット上から自分を完全に消すことはほとんど無理だろう。しかしソーシャルネットワークにまつわるアカウントを断ち切ることで、匿名性を高め、プライバシーを守り、ソーシャルメディアのモンスターに屈服しない個性的な少数派になることは可能だ。

画像提供:mikemelrose(Flickrより)

Selena Larson
[原文]