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●曲面ディスプレイのメリットとデメリットは? 湾曲スマホ「G Flex」ファーストインプレッションKDDIは22日、2014年春モデルとしてauスマートフォン4機種とタブレット1機種の合計5機種を発表した。その中の一つが、日本で初めて曲面ディスプレイを採用したファブレット「G Flex」だ。発表会で実際に触れることができたので、ファーストインプレッションレビューをお届けしよう。曲面ディスプレイのメリットとデメリットについても述べていこう。

まずはスペックからだ。製造メーカーはLG。OSはAndroid4.2で、約6.0インチのディスプレイを搭載している。サイズは約82(W)×161(H)×8.8(D)mm。6インチと大きいだけあり、重量は約178gと軽くはないが、それだけに電池容量は3,500mAhとかなりのもの。メモリは32GB(ROM)と2GB(RAM)を積み、フルセグにも対応している。

……と、こんな表面上のスペックはどうでもいい。気になるのはやはり曲面ディスプレイだ。

正面からの写真ではわかりにくいが、こうして側面から見てみると曲がっていることがはっきりとわかる。一瞬、「熱か何かで歪んだの?」と思ってしまいそうだが、もちろんそうではなく、仕様である……と頭ではわかっているのだが、慣れるまでにはやはり多少かかる。

とはいえ、少し触っていると違和感もなくなり、だんだんと慣れてくる。実際のところ、ディスプレイが曲面であることは操作する上でそれほど問題ではない。人にもよるだろうが、慣れるまでは「何かヘンだな」くらいの感覚で、慣れてしまえばさほど妙な感じもなくなるだろう。

●曲面ディスプレイのメリット○曲面ディスプレイは何がいいのか

しかし、そうなると逆に気になるのが、「じゃあ曲面のメリットって何よ」ということだ。わざわざ曲げたからには何か理由があるはずである。

KDDIが曲線ボディのメリットとして挙げているのは、主に3点。「広角視野によりフルセグをシアター感覚で楽しめる」「フェイスラインにフィットすることで電話しやすい」「カーブすることで持ちやすい」である。

短い時間だが、実際に触れてみた。

まず、曲面になったことで映像を見る際、広角視野になるという点だ。これは実際に映してみるとわかるが、画面が曲がっている分、やや外に向かって映像が広がるのだ。広角になると映像のダイナミックさが増すので、アピールしている点はわからなくもない。とはいえ曲面の角度が控えめだから、視野の方もそこまで極端に変わるわけではない。これは映像をスマートフォンで頻繁に見る人なら体感できるだろう。

次に「フェイスラインにフィットすることで電話しやすい」ということだ。これは確かにその通りで、個人差もあるだろうが、やや曲がっている方がマイク部に口元が近くなるため通話中の会話がやりやすい。電話するだけならスマートフォンよりも折りたたみ式のフィーチャーフォンの方がしっくりくるという人は未だに多いだろう。固定電話の受話口と送話口も盛り上がっているし。

最後に「カーブすることで持ちやすい」ということだが、これもその通り。たしかに完全にフラットであるよりも、少しだけカーブしている方が手のひらにちゃんとフィットするのは確かだと思う。タッチで操作してみたが、思ったよりもスムーズに操作できた。片手で持つにしても少し曲がっている方がやりやすい。

●メリットとデメリットまとめさて、では逆に曲面であることのデメリットを挙げてみよう。まず、誰もが考えることだが、カバンなどに入れたときにフラットなスマートフォンよりも余分にスペースをとってしまう。

個人的にはこれが最大のマイナス点だ。あとは変な方向から圧力をかけるとまずいんじゃないかということだが、これは本体がかなり頑丈に作られているため、意外と大丈夫なようだ。とはいえ、慣れるまでは扱いに気を遣いそうだけど。

ちなみに背面カバーの傷については、特別なコーティングを施しているおかげで、かすり傷程度なら自然回復するという。

まとめると、曲面ディスプレイのメリットは、

・映像が若干広角になる・多少電話しやすい・多少持ちやすい

という感じで、逆にデメリットは、

・カバンやポケットに入れにくい・扱いにしばらく気を遣いそう

という感じだろうか。あれ、思ったよりもデメリットが少なかった……。

この曲面ディスプレイを必要とする人はそれほど多くないだろうけど、ともあれ曲面ディスプレイという"変な技術"がこうして形になって商品化されただけで大きな意味があるのだろうとは思う。

(記事提供:AndroWire編集部)

(山田井ユウキ)