日本人のプレミアリーグ今シーズンの比率は0.05%(2007-08年は在籍せず)で、スコティッシュ・プレミアリーグの2007-08年は0.46%(今シーズンは在籍せず)だった

写真拡大

各国のスター選手が集まるイングランドのサッカー・プレミアリーグ。同リーグは欧州の主要リーグの一つであり、各国を代表する選手がプレーしているが、イングランド人選手が活躍する割合はどれくらいなのだろうか。

英BBCが報じたサッカー解析システム・オプタの調査結果に、一つの答えがあった。今シーズン(2013年10月1日時点)のプレミアリーグにおいて、イングランド人選手がプレーする時間は、全体の32.26%に過ぎないそうだ。

全体の3分の1を切るといっても、国籍別に見るとイングランドはマジョリティを占めている。そして2位以降のフランス(8.1%)、スペイン(6.27%)、アイルランド(4.77%)、オランダ(4%)、ベルギー(3.59%)、スコットランド(3.27%)、ウェールズ(3.17%)、ブラジル(2.75%)、アルゼンチン(2.09%)という順で上位10ヵ国を形作る。ただし、スペイン・リーガ・エスパニョーラにおけるスペイン人選手は59%、ドイツ・ブンデスリーガのドイツ人選手は50%という数値が出ているので、それらリーグと比較するとイングランドの値は低い。

また過去と比べても、イングランド人選手の比率は低下している。2007-08年シーズンにおいてイングランド人選手の値は35.43%だったが、今シーズンは32.26%だった。この6年で約3%低くなった。

低下したのはイングランド人選手だけではない。英国内イングランド以外の出身選手も下がっている。アイルランドは2007-08年の2位(6.03%)から今シーズン4位へ、スコットランドは5位(3.01%)から7位へ落ちた。北アイルランドは2007-08年では10位(2.34%)に入っていたものの、今シーズンは10位圏外になった。代わりにベルギーとアルゼンチン人が上位10ヵ国に仲間入りした(2007-08年に6位だった米国も今回は10位圏外となった)。

60.36%を占める外国人選手の内訳に変化は現れている。今シーズンは2007-08年(56.7%)と比べ比率は高まったが、外国人選手の出身国数は2007-08年の68ヵ国から61ヵ国に減った。

一方で、プレミアリーグ下位にあたるチャンピオンシップ(プレミアリーグ2部)では現象が逆転する。イングランドは55.44%と5割を超え、48.37%だった2007-08年(48.37%)より比率が高くなった。ちなみに今シーズンの2部はイングランドに加えてスコットランド(8.72%)、アイルランド(8.34%)、ウェールズ(4.53%)、ジャマイカ(2.41%)、フランス(2.01%)、北アイルランド(1.82%)、スペイン(1.82%)、イタリア(1.46%)、米国(1.1%)という順に上位10ヵ国を形成した。

スコティッシュ・プレミアリーグはどうだろうか。今シーズンの同リーグはスコットランド(57.19%)がもっとも高く、イングランド(16.41%)、アイルランド(8.65%)、北アイルランド(3.61%)、オランダ(2.96%)、ウェールズ(1.84%)、オーストラリア(1.35%)、ナイジェリア(1.16%)、スイス(1.04%)、フランス(0.94%)という順になる。2007-08年と比べると、過去のスコットランドの値は57.36%で今シーズンとほぼ変わらないが、イングランドは10.4%だったので、今シーズンは約6%高くなったのだ。

つまりプレー時間だけで自国選手の活躍度を比べた場合、プレミアリーグでイングランド人選手が活躍する割合は過去に比べ落ちている。そして活躍する外国人選手に押し出された形で、2部リーグやイングランド・プレミアリーグよりレベルが下がるスコティッシュ・プレミアリーグへ、イングランド人選手が流れたと言える。
(加藤亨延)