10月限定スペシャルのゴーストバーガー。カソリックの聖体パン(ウエハース)がガーニッシュ

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日本人にとっての癒しフードとして思い浮かぶものといえば「ラーメン」がその一つかもしれないが、アメリカ人にとっては「ハンバーガー」らしい。ファーストフードチェーン店はともかく、新しいバーガー屋が出来ては消えて行きバーガー店の回転も早い。人気ラーメン店の如く、並んでまで食べたいバーガー屋がシカゴにもあるらしい。そのうえヘビーメタルファンなら絶対に行かなくてはならない! ところでもあるという。

そのヘビメタバーガー店「Kuma’s corner」。熊の絵が特徴でKUMAという何とも日本語っぽい響きで日本人にとってはそれだけでも一気に親近感を持ってしまう。ネーミングについて聞いてみると、オーナーが譲り受けて飼っていた秋田犬の名前が「クマ」で、そこから由来されているのだそうだ。

メニューはブラックサバス、アイアンメイデン、スレイヤー、パンテラ、メタリカなど、おそらくメタル好きにはメニューだけでヨダレものなのだろう。ちなみにレッドツエッペリン・バーガーは、牛肉パティにベーコンとスロークックの豚肩肉、その上にバーベキューソースとピクルスというハンバーガー。

クマズコーナーは毎月特別限定バーガーを提供していて、その月の売り上げ$1500をローカルの各種団体に寄付していることでも知られている。

最近のお店スタッフ全員のお気に入り「ゴースト」というスゥェーデンのバンドが10月にツアーをするにあたって、クマズスタッフのバーガー作りの情熱と彼等の音楽に対するクリエイティブさを讃えたという10月特別限定バーガー「ゴースト」。

山羊と牛の肉の10オンスパティに山羊肩肉の蒸し煮とホワイトチェダーチーズ、チリ。そしてカソリック教会の聖体礼儀で用いられるウエハースがガーニッシュとして使われ、仕上げにアルコール蒸発させた赤ワインが数滴上からかけられている。

今月の寄付先はシカゴ市内のカソリック教会だという。オーダーの際に「今月の寄付はどこへ?」と聞くお客さんも多い。自分が食べた物の料金から少しでもチャリティーに行くと思うと多少ながら気分も良いのだろう。

クマズコーナーの出発点は至ってシンプル。地元コミュニティーをサポートし、牛肉を食べ、ヘッドバング。ローカル産を意識しているので、飲み物もバドワイザーやミラー系のビールはなく、あるのはシカゴ地ビールのみ。
「9テーブルしかない小さいレストランで、生きるため、生活するためにバーガーを作っている」そして「心の底からヘビーメタルを愛している」と語るレストラン。

開店前に既に列ができているので並ぶのを覚悟で出向きたいところ。しかしどなたでもどうぞ、という訳にも行かないのがこのお店の特徴。メタル好きでも肉嫌いには無理。また、肉好きだけどメタルは無理という人にはお薦めできない。鼓膜を心配せずにヘビーメタルを心地よく聴くことができ、その中で肉たっぷりのバーガーを美味しくほお張り、ヘッドバングもできる方だったら並ぶのも苦ではないかもしれない。

シカゴのバーガーバイブルサイトによると、エリート格にランクされていて、常に上位を争っているKuma’s Cornerである。
(シカゴ/あらた)