自分に自信がない上司は38%

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「ボス」と言ったら、誰を思い浮かべます? 愛称が「ボス」の矢沢永吉か、ブルース・スプリングスティーンか。もしかしたら、子どもたちに「ボス」と呼ばせていた明石家さんまかもしれない。

話は変わって、10月16日は記念すべき日だった模様。上司と部下の関係性を円滑にするため、この日はアメリカで「ボスの日」に制定されており、上司にプレゼントを贈るなど感謝の気持ち伝える事が推奨されているそうです。

そこで株式会社ビジネス・ブレークスルーが運営する「リーダシップ・アクョンプログラム」は、部下を持つ男女164名を対象に「上司の本音に関する意識調査」を実施!
“部下から見た上司”のデータは頻繁に目にするものの、逆はあまり見たことがなかったかも。管理する側の心理、探ってみましょうかね。

まずは、ここから確認してみます。「上司としての自分に自信があるか?」。結果、「自信がない」回答は38%(「あてはまらない」9%、「ややあてはまらない」29%)にのぼりました。いや、「自信がある」回答の方が上回ってはいるのですが(「あてはまる」8%、「ややあてはまる」54%)、それにしたって部下の側にしたら意外で新鮮な現実です。

しかし、もっと具体的に知りたい。そこで、自己評価していただきましょう。「あなたは上司として、100点満点中何点くらいだと思いますか?」
この大胆な設問によって導き出されるは、平均して63.9点という生々しい数値。そうですか、そうでしたか……。

さて、ではなぜ上司としての自分に自信を持てないのか? 「上司として自分に足りないと思う点」を聞いてみると、「自分自身がぶれない力」「チームをひっぱる力」という項目が上位に挙がっています。なるほど。スキルよりも、自分自身の本質について悩みを持っているのだな……。
そこで頼りになってくるのは、やはり部下。「部下に助けられていることがあると思う?」と尋ねると、97%が「助けられている」(「あてはまる」71%、「ややあてはまる」26%)と回答しており、部下と協力しながらチームを運営していきたいという上司の気持ちが垣間見られる結果なりました。

ところで! 皆さん、上司の誕生日を知っていますか? 知ってたとしても、知らんぷりしてないですよね? そこで、この設問。「誕生日や記念日などに部下から感謝の言葉をかけられるとうれしい?」。ここで「うれしい」と答えたのは、65%(「あてはまる」28%、「ややあてはまる」37%)の上司たち。

さて、ここで追加情報です。果たして、どんな言葉がツボなのか。「部下に言われてうれしい言葉」ランキングを見てみると、上から「ありがとうございます」、「信頼しています・頼りにしています」、「あなたと一緒に仕事ができてよかった」というトップ3に落ち着きました。感覚的に好意を示す言葉が、上位にランクインしているようです。
しかし、それだけじゃない。部下の成長は、上司の喜びでもある。「(部下が)自分の成長を感じる」(6位)、「会社・仕事が面白い」(8位)など部下の仕事の充実がわかる表現や、「私に任せてください」(7位)といった部下の成長が感じられる表現もランクインしているのです。
……どうですか。上司に対するイメージ、少し変わってきませんか?

では、いよいよ「理想の部下像」を尋ねてみましょう。
ここでは「自分の意見を持っている」(1位)、「報告・相談が適切」(3位)などよく目にする回答が上位にランクインしていますが、一方で「リーダーシップがある・後輩育成ができる」(5 位)という意見も見逃せない。部下にもリーダーシップが求められていることがわかります。

じゃあ、ラストに「部下にされてうれしいこと」を聞きますよ! 結果、1位に輝いたのは「仕事で自分の考えを提案される」。もちろん、「仕事で頼りにされる」(2位)、「仕事の悩みを相談される」(3位)といった項目も、上位にランクイン。
自分なりの意見を持ち適切なリーダーシップを発揮できる一方で、上司とうまく協力して仕事を進めていける部下像が浮かび上がりました。

最後に、深澤祐馬氏(株式会社SOOL代表取締役/EQ能力開発コーチ/BBTリーダーシップ・アクションプログラム講師)による、アドバイスを。
「『全員がリーダーであり、全員フォロワーである』組織が“最強の組織”とも言われており、上司も部下も柔軟なリーダーシップを獲得することが大切だと言えます」
今回の調査によって、新しいリーダー像や新しい組織の在り方が示唆されました。時代は、動いています。
(寺西ジャジューカ)