10月10日発売の黒い消しゴム「モノPE01ブラック」(トンボ鉛筆)

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消しゴムは白いものがよく消える。そんなイメージを持っている方は多いだろう。確かに私もそう思う。子供の頃、甘い匂りのするイチゴ消しゴム、スーパーカー消しゴムが流行ったのをよく覚えており、それらはカラフルで形がおもしろいだけで、消しゴムのくせにあまり消えなくて、ただ持っていて楽しむというものだった。しかし、時代は変わって、カラフルな消しゴムではなく、実用的な黒い消しゴムが現れた。正直、半信半疑だったが、とにかく試してみることに・・・。

誰しも一度は使ったこと、見たことがあるであろうトンボ鉛筆「MONO」シリーズから、10月10日に「モノPE01ブラック」「モノPE04ブラック」の2種類が発売された。どちらも真っ黒な消しゴムで、ケースのデザインは従来のブルーラインからグレーラインに変更されているほかは全く一緒だ。消しゴムの基材に黒色顔料を主とする色材を混入して黒色に仕上げたという。それにしても、見慣れた「MONO」消しゴムが黒くなっただけで、こんなに違和感があるとは!?

譬えるなら、白桃が黒桃になったような感じ。う〜ん、これって本当にうまく消えるのだろうか。
「当製品の消字率は96%(消字率は日本字消工業会の定めに準拠)で、この性能は市販されているブラックタイプ字消しの中でトップクラスです。消し心地(タッチ)も従来のモノ消しゴムと同様です」と説明書きにある。

そもそもどうして黒い消しゴムを作ったかというと、消しゴムを使用していて気になる点として、字を消すと、消しゴムが汚れる(45.2%)という回答があったからだそうだ(調査対象:中高生男女62名/2011年3月実施/同社調査)。確かに黒ければ汚れが目立たない。そのほかのメリットとして、消しカスが黒いので掃除のとき見つけやすいことを挙げる。なるほどこれも一理ある。

問題はやはりどれだけキレイに消せるかだ。従来の製品と同等ということなので、早速それを確かめてみることに。まず、普通紙の上に鉛筆で塗りつぶした部分をちゃんと消せるかどうか。比較のため、「MONO」シリーズのホワイトタイプで消してみた。かなり強く塗り潰したつもりだが、さすが「MONO」消しゴム、長い歴史は伊達ではない。きれいサッパリ消してくれた。つぎに、「モノPE01ブラック」を使った。すると、確かにホワイトタイプと変わらないほどキレイに消せた。消し心地もまったく変わらない。

ただ、問題がひとつ。「インクジェット専用紙等の紙の種類によっては紙面を黒く汚すことがあります」との注意書きがある。はは〜そうか、インクジェット紙って表面に特殊コーティングされているので、字が消しづらいことは知られているなぁ。これもただ鵜呑みにせず、試してみた。ホワイトタイプは普通紙よりは跡が残るものの、許容範囲内の結果であったが、「モノPE01ブラック」は注意書き通り、黒ずみが残ってしまった。黒色顔料が紙に付着してしまうのだろうか。インクジェット専用紙以外にも特殊コーティングされた紙は同様に苦手かも知れない。

しかし、たいていの人はノートや本、普通紙に書き込んだ文字やラインを消すことがほとんどなので、日常あまり大きな問題にはならないだろう。だが、どうしてもそれが気になる人はホワイト消しゴムをセレクトすればいいのだ。逆に、消しゴム表面の黒ずみが気になる人はブラック消しゴムを!

筆者の感想としては、確かに見た目の清潔感は断然ブラック消しゴムなので、人前で使用することがあるような場面で使いたいと思う(ちょっと自慢できるし)――ブラック・イズ・ビューティフル。
(羽石竜示)