中国メーカー製3Dプリンタ「UP Plus 2」

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アキバを歩けば何か珍しいものがある。そんなことをずっと東京に住んでいながらやっと気がついた今日このごろである。前回は万世橋のすぐそばにできた観光スポット「mAAch ecute 神田万世橋」を紹介したが、今回は観光スポットというわけでは必ずしもないのだが、ちょっとおもしろいものが置いてある場所だ。

それは、「BRULE ショールーム "3D Hut" 」というところで、アキバの中央通りを万世橋とは逆方向に進んで蔵前橋通りをまたぎ、マクドナルドの手前の小道を曲がったところにある。ここ、ブルレーという日本で入手し難い世界中の最新商品をコンシューマーに直接販売する会社の事務所1階に設置されており、営業時間は平日11〜12時と14〜15時で、、それ以外はメールなどで予約を入れてから訪問する。週末のオープンは検討中とのこと。

中に入ってみると、ズラリと3Dプリンタが並んでおり、そのすぐ横にはサンブルとしてプリントされたオブジェがいくつも置かれていた。手に取って現物を確かめられるというのは何より嬉しいこと。あえて成功作品だけでなく、失敗作品も置くことで、3Dプリントの難しさを伝えている。

「ただ、データを入力してプリンタのスイッチをオンにすれば必ず成功作品ができるとは限りません」とのこと。
事前に細かい各種設定を行い、しっかりプリンタの状況を確認してから、作業を開始しないと長時間かかる作品が台無しになることがしばしばだそうだ。

問題は、そうした設定方法が書かれている説明書や、プリンタのモニター上の文字がすべて英語であること。3Dプリンタは米国メーカー製がほとんどで、日本語表示に対応していないのだという。これはバッド! そこで、使い方の問い合わせ、トラブル対応などをブルレー社が受け付けており、ちゃんと動くまで丁寧に説明してくれる。これはグッド!

しかし、どれも四角い箱のようなものばかりと思っていたが、プリンタヘッドと作品台がむき出しのものもや、自作組立仕様のものなんかもあったりして、それぞれの違いを見ているだけでもおもしろい。実際に同社社員がプリンタを動かしながら説明してくれるので、同ルームで使い方をある程度マスターしてから、どのプリンタを購入するか検討するといったユーザーもいるようだ。

「MAKERBOT REPLICATOR 2」という米国メーカーの個人向け3Dプリンタが中でもっとも有名で、それを見学に訪れる人が多いというが、筆者のような3Dプリンタ初心者にはやはり同プリンタがお勧めなのだろうか。
「“UP Plus 2”がいいと思います。失敗が少なく、キレイな作品ができて、価格も手頃です」
ただ、中国メーカー製と聞いて躊躇する人もいるのだが、中国は3Dプリンタの進んだ技術を持っているとのこと。決して侮れない存在だ。

これから、まだまだ発展が見込まれる3Dプリンタの世界。まずは現物を見て、それぞれの性能を確かめてから、購入を決断するのが確かに賢明である。なので、アキバに遊びにきたときは、ちょっとショールームに寄り道してみるのも悪くない。何か思いがけない発見、創作アイデアが浮かぶかも。
(羽石竜示)