缶詰で作る和食フルコース!

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10月10日は、「缶詰の日」だそうです。缶詰協会HPによると、我が国初の缶詰工場(石狩市)にて、サケを原料にした缶詰の製造が開始されたのが1877年10月10日だったらしく。

そうでしたか……。というわけで、行ってきました! イオンレイクタウン(埼玉県越谷市)のご当地食ミュージアム「JAPAN FOOD MARKET(ジャパンフードマーケット)」では、「ご当地缶詰コレクション」を10月末まで開催中とのこと。

実は今、空前の“缶詰ブーム”なんです。震災以降の防災意識はもちろん、以前コネタでも紹介した「缶詰BAR」の登場により、缶詰への注目度は俄然上昇! 単なる保存食や防災食ではなく、気軽にそのまま食べられる完成度の高いグルメや食材として見直されたことが、その背景にあるという。

そして同館、今回は特に“ご当地缶詰”を特集しているらしい。現地で水揚げされた魚介類はもとより、地域食やご当地グルメ、さらには地域密着型工場で作られる缶詰が総勢150 種以上が販売されている。しかも、そのカテゴリーはご飯、めん類、前菜、惣菜、鍋物、煮物、肉、魚、おしんこ、味噌汁、パン、デザート、飲料などなど、盛りだくさん。

では具体的にどんなものがあるのか、実際に見ていこうかな。まずご当地缶詰コーナーへ向かうと、最初に目に付くのは青森県の焼き魚の缶詰。普通、焼き魚の缶詰ってないでしょ? そういうのが、あるんですよ。他にも、浜名湖のウナギ、静岡おでん、とんこつラーメン、まぐろの胃袋など、もう目移りが止まらない。

あと変わり種で言うと、“虫系”が面白そう。イナゴとか蜂の子とか、そんなのもあるんです。
「長野で、蜂の子は当たり前に食べられていますよね。長野県は長寿日本一になっていますけど、虫から摂るタンパク質も一つの要素だと思っています」(同館・担当者)

こういう缶詰たちを、どう楽しむか。例えばOLは机に忍ばせ、お昼時に「ランチ」プラス「缶詰」という楽しみ方をしているようだ。そして、もう一つ。
「“定食”を、ウチでは提案しております。前菜からデザートまで、全部を缶詰にしてみてはどうかと……」(担当者)
そこで今回は、缶詰でフルコースを構成してみました! じゃあ、主食はアレにして、おかずにはアレとアレで、小品はアレで……。
「これ、楽しくないですか? お鍋にお湯を張って、全部入れといたりして(笑)」(担当者)

結果、以下のような見事な組み合わせに。
まず、主食には『栗五目ごはん』を。小品としては『たくあん』(宮崎県)、『たらの子』(石川県)、『うなぎかぶと焼き』(静岡県)を。おかずには『さば塩焼き』(青森県)、『肉じゃが』(大分県)を。そして、『しじみ味噌汁』(青森県)。
もう、完全なる“和”のフルコースです!

しかし、元は紛れもなく缶詰だ。『五目ごはん』なんかまるでケーキのスポンジみたいに固まっているんだけど、よく見ると五目。ほぐして、いただいたら、やっぱり五目ご飯でした。
『肉じゃが』には旨みの詰まったお汁がたっぷり入っており、味にはいい意味で田舎臭さがある。良質な肉じゃがです! 『うなぎかぶと焼き』には、うなぎの頭が丸々ゴソッと。ご飯にバウンドさせ、バクバク乱暴にいただきたい一品でした。『たらの子』はツブツブしたたらの子が醤油漬けになっており、ご飯が進む、進む! 『さば塩焼き』は、問答無用にイイ。日本人で、これを嫌いな人っているのかな? 永遠に食べていたい缶詰です。
『しじみ味噌汁』も、見逃せない。美味しさが凝縮されまくっているので、2倍に薄めていただくべき缶詰です。これ、ラーメンの汁としても大活躍しそうだな……。しかも、中には本物のしじみがギュウギュウに入ってるし!
『たくあん』は缶を開けた時点で“和”の香りがプ〜ンと食卓を包む。はぁ、実家に帰ってきたかのような気分になるなぁ。

何度も言いますが、これ全部缶詰なんですよ!? しかも、“和”だけではないのです。同館では、洋風フルコースを組み合わせるくらいの缶詰も集積されている。那須高原の『パン』の缶詰だったり、『タコライス』(栃木県)、『いわしチリトマト』(茨城県)、『チョコレートプリン』(愛知県)、『ビーフシチュー』(沖縄県)と、絶品缶詰が盛りだくさん!
「昔は缶詰というと『え〜!?』という感じでしたけど、今は本当に美味しくなっていると思いますよ」(担当者)

確かに。缶詰ブームの一端を、堪能させていただきました!
(寺西ジャジューカ)