美容整形が盛んな韓国で、“四肢延長術”によるトラブルが相次いでいる。

本来は疾病や変形で非対称な四肢を正常にするための手術だが、“長身になれる手術”として美容整形感覚で行う人が多いようだ。結果的に深刻な副作用に悩まされる人は後を絶たず、中には元の生活に戻れなくなった人もいるという。

「身長を13センチまで伸ばせる」。韓国のA整形外科は四肢延長術のカウンセリングを受けにきた人に、手術のメリットについて説明した。四肢延長術は、足に金属製の機器を取り付け、人工的に骨折させ、骨を少しずつ延長させる。骨が伸びれば背も高くなる。当たり前なようだが、人工的に伸ばすためには大がかりな手術が必要となる。

手術費用は数百万円と高額。それでも年間600人近い若者が、長身を夢見て四肢延長手術を受けているという。

A病院はカウンセリングで、太ももの骨と、ふくらはぎの骨をそれぞれ手術すれば、「最大で13センチまで伸ばせる」と説明した。

だが、整形外科の増加に伴い、副作用を訴える患者は続出している。ある30代の男性は、手術から1年経った今でも骨が接着せず、松葉杖がないと歩くことができない。別の20代男性は骨盤が壊死した。

京郷新聞によると、副作用を訴えているある30代の男性は、A病院で同時期に同じ手術を受けた患者6人のうち、5人が副作用で苦しんでいると話した。総合病院で診察を受けて、初めて自分の体が深刻な状態にあることを知った人もいる。

術後の状態によっては、長身になれるどころか、一生に渡り副作用に苦しまなければならない。韓国のメディアは、非常に危険だとして注意を呼びかけている。

・参照:KBS
・参照:京郷新聞

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