深刻な電力不足に陥る韓国、冷房つけてドア開けっ放しなら罰金

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本格的な夏を前に、韓国では昨年に続いて今年も厳しい節電を余儀なくされている。7月1日からは、エアコンを付けてドアを開けっ放しにしたり、26度以下に設定した商業施設に対し、最大で300万ウォン(約26万円)の罰金が科せられることになった。

ソウル市は30日、市内の繁華街8カ所(明洞、江南大路、新村、弘大、永登浦駅、鐘閣駅、街路樹通り、島山公園)に対し、産業通商資源省と共に週2回以上の取り締まりを実施することを明らかにした。

摘発されると警告を受け、次からは違反回数によって最大で300万ウォンの罰金が科せられる。1回目は50万ウォン、2回目は100万ウォン、3回目は200万ウォン、4回以上は300万ウォンと違反回数に従って金額がアップする。ただし、医療施設、社会福祉施設、幼稚園などは取り締まりの対象外となる。

このような節電の義務化は、韓国全体が深刻な電力不足に陥っていることが原因だ。今年5月、原発に性能試験検査の書類が偽造された部品が使用されていることが発覚し、部品を使用していた原発2基に運転の停止命令が下った。整備などで既に停止中だった原発8基を含め、計10基の原発の稼働が停止するという異常事態を受け、夏場の電力消費がピークとなると予想される8月を前に、行政が節電を義務化し、取り締まりに乗り出したのだ。

公共機関ではすでに国による節電が始まっており、室内温度を28度に維持することが義務付けられている。また、電力需給警報が「注意」段階(呼び電力が300万キロワット未満)が発令された場合、公共機関はエアコンの使用を中止しなければならない。

節電の義務化について、韓国のネットユーザーたちは「苦しむのは庶民ばかり」「地位が高い方々は冷房をガンガンに入れるんだろ?」「国が1970〜80年代に逆戻りしたようだ」「まるで北朝鮮」などと不満を示している。

今夏の韓国はどこも蒸し暑そうだ。

・参照:KBS
・参照:The Daily

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