築地の職人がマグロの解体作業をフィギュア化！
我が家にもありますよ。KISSとかジミ・ヘンドリックスとかブルーザー・ブロディといったフィギュアたちが。このキメ細かさは、子供より大人向けでしょう！
そして今、こんなフィギュアが話題になっているんです。ホビーストックが4月16日より発売しているのは、その名も『解体フィギュア・黒マグロ』。
「マグロを売買する際、今までノートに図を書いて部位を説明していました。ただ、やっぱりそれだと伝わりづらい。そこで説明に活用するため、実際のマグロを小型化させたフィギュアを思い付いたのです」（「株式会社 山和」渡辺代表）
それだけではない。2万台にも及ぶミニカーを始め、何百ものシューズやGショックを所有しているという渡辺代表。趣味に生きる男として「こんなフィギュアも欲しいな」という衝動が、彼を動かした。
結果、出来上がったのは完全無欠の高クオリティフィギュアである。
「元々のマグロを100％小型化しているわけではないのですが、このサイズで実物に見劣りしないよう製作しています」（渡辺代表）
このフィギュアの売りは、「解体できる」という機能性。その際、通常はダボ穴を活用し、ボタンのようにつなぎ合わせていくのが常だった。しかし、今回は磁石によってつなぎ合わせているという。もちろん、ルックスにも抜かりはなし。あえて表面に切り傷や擦り傷の塗装を施してみせたのだ。海から上がったばかりのマグロではなく、“築地のマグロ”を再現しているのだから。
まだまだ、ある。付属されているおろし台は、山和の物をそのまま再現。おろし包丁にしても、柄の部分や刃の部分は本格的なクオリティになっているそうだ。
「図鑑を見て作っているのではなく、日々マグロに接している人がプロデュースしているフィギュアですから、細部にもこだわりが貫かれています」（「ホビーストック」担当者）
マグロという題材といい、そのキメの細かさといい、まさに大人仕様。そして……、価格の方も29,400円（税込み）という決して気軽に手を出せる値ではなくなってしまった。こちらに関しても、大人仕様。妥協のない作りゆえだ。……大丈夫ですか？ この価格で、売れていますか!?
「ええ、発売から1ヶ月で3桁に届こうかという販売数に達しております」（担当者）
良かった、予想以上に受け入れられていた！ そのクオリティは、確実に目利きの琴線に触れているようだ。
ところで、一体どんな人がマグロのフィギュアを買っているのだろう。いや、ぶっちゃけ私には予測不可のニーズだったもので……。
「一般の方はもちろんですが、お魚屋さんやお寿司屋さんがお店の中のディスプレイに使うことが多いようです」（担当者）
また、築地市場で働く人による購入も多いという。同業の渡辺代表がプロデュースしている事を知っているか否かは不明ですが……。
「海外のフィギュアマニアにも好評で、英語によるサイトも現在準備中です」（担当者）
なるほど、築地は日本が誇る文化でもある。“日本発世界”を成し遂げた、貴重なフィギュアの一つかもしれない。
それにしても、マグロのフィギュアですか……。日本酒を飲みながら、このフィギュアを眺めているといいかもしれないな。気分が良くなってきたら、解体なんかしちゃったりして。
（寺西ジャジューカ）
