巨人の次期監督にゴジラ松井が急浮上中?
巨人の快進撃が止まらない。7日は、この日13年目にして1500安打を達成した阿部の今季1号アーチなど、一発攻勢で中日を粉砕。1941年以来、72年ぶりとなる開幕7連勝を飾ったのだ。
今年で契約最終年を迎える原監督にとっては上々の滑り出しと言えそうだが、プロ野球の裏を知り尽くすスポーツ紙記者たちの間では、すでに“次期監督”に関する話題が噴き出している。その理由は、思いのほか高くないという原監督へのナベツネ(渡邉恒雄)氏の評価だ。
「最終的には、ナベツネ会長が原監督を評価していない、気に入っていないということに尽きますよ。昨年末に松井秀喜(巨人→メジャーリーグ)が現役引退を発表した後のことを思い出してください。年が明けてすぐ、ナベツネさんは記者たちに『原君はまだやるけど、次がいないんだ』と、“松井監督待望論”をまくし立てた。原監督を評価していれば、『まだやるけど』なんていう言葉が出るはずないでしょう」(記者B氏)
かといって、成績が好調な今、特筆すべきチーム改革が必要とされているワケでもない。
「生え抜きの若手が育ってきた今は、落合(博満・前中日監督)さんのような“改革派”は必要ない。また、桑田(真澄)さんも話題にこそなるけれど、本人は親しい関係者に『負ければ叩かれる監督商売はしたくない』と言っています。高校、大学の監督にプロ出身者が就任しやすくなったこともあり、むしろそっちに関心があるみたいです」(記者A氏)
そういう意味では、ナベツネ氏の「後任がいない」というのは本音のようだ。
「だから巨人とすれば、原監督にもう少しやってもらって、今オフに松井を呼び戻して来年はヘッドコーチなどをやらせ、来オフに“ゴジラ監督誕生”というのが理想でしょう。これなら日本テレビも納得するはずだし」(記者B氏)
しかし、肝心の松井自身の意向は? 記者C氏が語る。
「本人にその気があるとは思えません。昨年末の引退会見はニューヨークでしたが、あれ以来一度も帰国していないようだし。もちろん3月に夫人の出産を控えていたというのもあるだろうけど、引退後3ヵ月たっても巨人にあいさつがないというのは、あまりにも不自然じゃないですか?」
前出の記者A氏も同意する。
「(松井には)ジャイアンツに対する愛着は、人一倍あります。でも、それとナベツネ会長が牛耳る読売とはイコールではない。松井はメジャーに移籍した後も、恩師の長嶋(茂雄)さんなどとは親しく連絡を取っていますが、ナベツネ会長とは接触している形跡がない。ふたりの“こじれ”は、元をたどればFAで巨人を出たときまで遡(さかのぼ)ってしまうんですけどね」
そのせいか、チームの周辺では“ある噂”がささやかれているという。
「巨人の内情をよく知っている人たちの間では、『案外、松井より高橋由伸のほうが早く監督になるんじゃないか』といわれているくらいだからね。いずれにしても、“監督に据える前に1年でもコーチの肩書をつけて勉強させる”という巨人の不文律に松井が従わない限り、監督就任はない」(前出・C氏)
やはり巨人監督の去就を左右するのは、ナベツネ氏の意向次第のようだ。