【女性編】歴史上の人物の辞世の句、行って思いをはせたい最期の地ランキング


歴女でなくても押さえておきたい





歴史の表舞台で波乱万丈の人生を送った人物の最後の気持ちはどんなものだったのか……と思いをはせるのも楽しいもの。それを短い言葉でまとめたのが、いわゆる「辞世の句」です。最期の地に行けば、歴史上の人物の気持ちもよりわかるかも。そんな場所をマイナビニュース会員の女性465名にアンケートをしてみました。





Q.歴史上の人物の辞世の句、行って思いをはせたい最期の地は?(複数回答)

1位 おもしろき こともなき世を おもしろく:高杉晋作(長州藩士)下関市新地町 14.6%

2位 埋れ木の花咲くこともなかりしに 身のなる果てぞ哀れなりける:源頼政(武士)京都府宇治市 平等院 12.7%

3位 あはれなりわが身の果てや浅緑 つひには野辺の霞と思へば:小野小町(歌人)京都市左京区 補陀洛寺 11.2%

3位 願はくは花のもとにて春死なむ その如月の望月のころ:西行(歌人)大阪府河南町 弘川寺 11.2%

5位 ちりぬべき時知りてこそ世の中の 花も花なれ人も人なれ:細川ガラシャ(明智光秀の娘)大阪市中央区森ノ宮 10.1%

6位 旅に病んで 夢は枯野を かけ廻る:松尾芭蕉(俳人)大阪府大阪市御堂筋付近 9.9%







■おもしろき こともなき世を おもしろく:高杉晋作(長州藩士)下関市新地町

・「この時代を生きた人の気概があらわれていると思います」(26歳/学校・教育関連/専門職)

・「前向きな一句だと思うから」(27歳/運輸・倉庫/事務系専門職)

・「わかりやすいところがよし!」(33歳/ソフトウェア/事務系専門職)





■埋れ木の花咲くこともなかりしに 身のなる果てぞ哀れなりける:源頼政(武士)京都府宇治市 平等院

・「自分の生が散ることに対して、哀れさと美しさが共存する句のある所に惹かれる」(25歳/金融・証券/事務系専門職)

・「意味を深く理解はできないのですが、なぜか響くように感じたから」(27歳/金融・証券/事務系専門職)

・「平等院のお寺が好きだから」(26歳/金属・鉄鋼・化学/技術職)





■あはれなりわが身の果てや浅緑 つひには野辺の霞と思へば:小野小町(歌人)京都市左京区 補陀洛寺

・「美の頂点の人の最期の地を見てみたい」(32歳/小売店/販売職・サービス系)

・「美人の人生はどんなものだったかについて思いをはせたい。京都という点も魅力」(30歳/マスコミ・広告/クリエイティブ職)

・「小野小町と京都の組合せに風情がある」(28歳/食品・飲料/営業職)





■願はくは花のもとにて春死なむ その如月の望月のころ:西行(歌人)大阪府河南町 弘川寺

・「大河ドラマで西行法師を見たので」(23歳/アパレル・繊維/事務系専門職)

・「あまり未練がましくなく、美しい響きと感じたから」(30歳/医療・福祉/専門職)

・「句がぐっときました」(23歳/医療・福祉/専門職)





■ちりぬべき時知りてこそ世の中の 花も花なれ人も人なれ:細川ガラシャ(明智光秀の娘)大阪市中央区森ノ宮

・「女性として行ってみたいと思った」(27歳/生保・損保/営業職)

・「細川ガラシャの特集番組を見たことがあり、切ない気持ちになったので、それをしんみり体感してみたい」(30歳/金融・証券/事務系専門職)

・「明智光秀の娘だけど、絶世の美女で、夫に殺されず、キリシタンとなったガラシャの潔さが表れている。こうありたいと思います」(51歳/団体・公益法人・官公庁/事務系専門職)





■旅に病んで 夢は枯野を かけ廻る:松尾芭蕉(俳人)大阪府大阪市御堂筋付近

・「松尾芭蕉が行ったところに好きな所が多い」(31歳/医療・福祉/専門職)

・「切ないけれどかっこいいとおもうから」(22歳/ソフトウェア/技術職)

・「(芭蕉の)旅の終着地点かぁと感慨にひたりたい」(30歳/食品・飲料/秘書・アシスタント職)





■番外編:辞世の句の定番?

・あら楽し思ひは晴るる身は捨つる 浮世の月にかかる雲なし:大石内蔵助(赤穂藩家老)東京都港区高輪付近「忠臣蔵が好きなので選びました」(29歳/ソフトウェア/事務系専門職)

・風さそふ花よりもなほ我はまた 春の名残を いかにとかせん:浅野内匠頭(赤穂藩主)東京都港区新橋付近「赤穂浪士のお話しが大好きだから」(23歳/情報・IT/事務系専門職)

・露と落ち露と消えにし我が身かな 浪速のことも夢のまた夢:豊臣秀吉(武将)京都市伏見区桃山町伏見城「有名どころで気になる。ぜひいってみたい」(26歳/小売店/販売職・サービス系)





総評

1位は高杉晋作の「おもしろき こともなき世を おもしろく」となりました。死に際しても「おもしろくしてやろう」という前向きな句であること、さらに誰にでも理解できるわかりやすさがトップに選ばれた理由といえるでしょう。幕末はドラマやアニメ、映画でもよく取り上げられる「人気の時代」であることも一因であると考えられます。





2位は源頼政の「埋れ木の花咲くこともなかりしに 身のなる果てぞ哀れなりける」です。平安末期、最初に平家打倒の挙兵をした人物ですが、源頼朝、義経らの活躍に隠れてしまい、影の薄い存在。最後は平等院に立てこもり、一族もろとも自害してしまいました。平等院という観光名所の魅力と、美しい句に魅せられた、という意見が目立ちます。





3位は小野小町の「あはれなりわが身の果てや浅緑 つひには野辺の霞と思へば」です。小野小町と京都という絶妙ともいえる取り合わせに魅力を感じたというコメントが寄せられています。和歌に興味がなくても、ストレートに心を打つ言葉に魅力を感じた人も多いようです。





同率で西行の「願はくは花のもとにて春死なむ その如月の望月のころ」、細川ガラシャの「ちりぬべき時知りてこそ世の中の 花も花なれ人も人なれ」が3位にランクイン。細川ガラシャに対しては、「同じ女性として」共感を覚えたという意見も多く寄せられました。明智光秀の娘として生まれ、キリシタンとなった波乱の人生に同情の声も。





番外編では、年末年始の時代劇でおなじみ、「忠臣蔵」の浅野内匠頭、大石内蔵助の定番ともいえる辞世の句をピックアップ。浅野内匠頭の無念の気持ちがにじむような句と、大石内蔵助の晴れ晴れとした句が対照的ですね。





女性の句が2つランクインしたのが特徴的です。また、「花」という文字を含んだ句が3つもあったこと。辞世の句に対しても、女性らしい美的感覚で受け止めているようです。全体的に場所に対する興味よりも、辞世の句に対しての言葉の美しさに興味を持った人が多いことがわかる結果となりました。

(文・OFFICE-SANGA 秋田茂人)





調査時期:2013年2月15日〜2013年2月21日

調査対象:マイナビニュース会員

調査数:女性465名

調査方法:インターネットログイン式アンケート