――いつも“ものまねメイク”をする際に、どんな所を重視していますか?

おかもとまり(以降、おかもと):人それぞれ違うんですけど、その人を見て印象的に残る部分ってあると思うので、そこだけをくり抜く感じでメイクをしていきます。眉毛がすごく真っ直ぐな人だったらそれを真似たり、下まつ毛が印象的な人だったら下まつ毛を付けてたり、その人の特徴であり、コンプレックスをくり抜くことですね。

――今回3人の魔女の中から一人のものまねメイクをして頂きましたがで、エヴァノラを選んだのは何故ですか?

おかもと:自分と肌の色と鼻の形が似てた所ですね(笑)。骨格はなかなか変えられないけど、目とかは全然変えられるので、鼻と骨格が近い人が一番真似しやすいですね。骨格はウィッグで隠したり、角度で隠すことは出来るんですけど、鼻って隠れないので、鼻が一番近いのは大きいですね。

――セオドラとグリンダ風ものまねメイクをする場合、どんな所がポイントとなりますか?

おかもと:セオドラは、輪郭は別として、すごく丸みのあるメイクなんです。眉毛も眉山は結構高いんですけど、丸い。二重も丸いし、目の形も丸で、唇も丸っぽくなっているので、丸いラインをつかむのが一番いいと思いますね。この二重の幅は日本人には真似しにくいので、例えばアイプチとかメザイクを使って太さを出して、下の目の印象がすごく強い方なので、目の下にもしっかりブラウンのアイシャドーとアイラインも引いて、丸いラインを作ることですね。

 グリンダは、すごく可愛らしい、一番今ドキの日本にありがちなメイクだと思います。ポイントは、眉毛と目の幅を近づけることと、そんなにカーブを出さないことですね。ゴールドの眉マスカラで明るくして、アイラインは黒だと印象が強くなっちゃうので、ブラウンぐらいで抑え目にして、粘膜の内側もくの字で引いて、目の下もまつ毛の生え際を埋めるように細く引くと、この印象的な目に近づけると思います。あと、ラメの入った色のアイシャドウを目頭に入れて、下まぶたにもちょっとラメを乗せていますね。目の上全体にラメを乗せると重たくなっちゃうんですけど、下にポイントで乗せているので、すごく真似しやすいと思います。それで、ローズピンクのチークをほお骨の下にふわっと入れてるので、この春にオススメなメイクですね。

――映画では、オズの国を支配する“悪い魔女”が登場しますが、3人の魔女のメイクから、それぞれどのようなキャラクターの印象を受けますか?

おかもと:グリンダは、眉毛とか色使いが明るめで、カーブが少なくてストレートだから、穏やかで優しそうな印象がしますね。いかにも“良い魔女”っぽい顔をしていて、計算高さが出てないんですよね。キャリアウーマン的な“出来る女”メイクのエヴァノラが、一番計算高さが出ているんですよ。鼻の高さだったり、カーブや角があって、チークがすっと縦斜めに入ってるから、すごくシャープで強い印象があります。

 セオドラは、ミステリアスで鍵を握っている感じのメイクです。この方だけ黒目の下に白目が出ているので、目の下の印象が強いんですよね。日本人で言うと、中島美嘉さんとかが近いです。目がすごく丸いので、ちょっとミステリアスだけど、口のメイクも丸いので、物静かで優しめの印象ですね。一歩下がって物静かに何も言わずに、答えを知っている。何かを秘めている感じがしますね。実際はどうなんでしょう(笑)。多分、キャストを選ぶ時に、役柄に合った顔の人を選ぶと思うので、メイクを見ると当たるかもしれないですね。

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