年収・生涯賃金一覧

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年収データは東京商工リサーチ。2012年6月末時点の有価証券報告書を集計。卸売業に分類された362社から抽出した。業界トップは資源筆頭に機械、化学品、食品、流通など基盤が厚い総合商社首位の三菱商事1412万(平均年齢42.9歳、従業員数6275人)。

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■過去最高益を更新!総合商社が大躍進

総合商社が絶好調を持続している。その勢いはまさに天井知らずで、時運を得たときの大手商社の収益力の強さには驚嘆するほかない。2011年3月期の大手総合商社7社合計の純利益は1.3兆円を超えた。これは史上3番目の好業績だったが、12年3月期の純利益は前期比26%増の1兆6700億円を記録。07年3月期の過去最高益をあっさり更新した。

快進撃の背景にあるのは、00年代から各社が地球規模で権益確保に奔走してきた資源・エネルギー部門の躍進である。なかでも鉄鉱石・原油・天然ガスに巨大権益を持つ三井物産は、純利益の8割をこれらの資源から稼ぎ出している。三菱商事もまた原料炭で1000億円の純利益を得た。一方で資源依存率の低い住友商事や伊藤忠商事も、回復基調にある非資源が好業績を支えている。資源・非資源ともに好調なことが史上最高益更新につながった。

住友、三井、住友、三菱、そして2012年は三菱が連覇――。最近5年間の年収トップ争いは熾烈で、上位3社が翌年も同じ年はない。今期は資源依存度が最も高い三井物産が業績好調を反映して前年比115万円増となり、前年4位から2位に浮上した。売上高に準じているわけでもない。順位をよく見ると、今年の上位5社はそのまま社員数の順となっている。頭数が多い順に年収も多いのは、人材を最大の資産とする総合商社の真骨頂といえるだろう。

ちなみに、年収1000万円超の企業は全業種を見渡して54社ある。そこから持ち株会社を除くと全28社。トップの三菱から6位の双日まですべて1000万円超の単体会社となると、総合商社をおいてほかにない。7位の豊田通商992万円も大台まであと一息に迫っている。三菱商事に至っては30代で年収1000万円は当たり前。日本一の高給企業は間違いなく総合商社だ。学生の志望業界調査で、最近は大手5社の上位進出が目立つのも当然である。

さらに、商社・卸売業界で特筆すべきことは、取り扱い品目により極端な年収格差が生じることだ。総合商社は高く、専門商社は低い構図は昔から変わらない。トップの三菱商事は下位の大木539万円の2.6倍で、両社の年収差は実に873万円に達する。商社・卸売業の扱い品目間格差が改めて浮き彫りになった。

品目別に見ると、化学、鉄鋼、機械・半導体はまずまずで、食品と医薬品にマイナスが目立つ。鉄鋼商社で突出しているJFE商事932万円は、商社・造船・電炉など再編を進めるJFEHDの商事部門。食品トップのOUGHD917万円は旧大阪魚市場で、ともに従業員数40人を切る持ち株会社だ。各ジャンルとも順位に目立った変動はなく、逆転があっても僅差に留まる。

※すべて雑誌掲載当時

(平尾俊郎=文 ライヴ・アート=図版作成)