こちらは自家製の梅酒。

写真拡大

近年のノンアルコールビール人気を受け、昨年2月にはCHOYAから「酔わないウメッシュ」が発売。

さらに、昨年11月にはサントリーから「まるで梅酒なノンアルコール」が発売され、6月には同社から「年間販売計画を当初3倍の60万ケースに上方修正」というニュースリリースも発表されていた。
でも、「ノンアルコールビール」はともかく、そもそも「ノンアルコール梅酒」なら「梅ジュース」とあまり変わらなかったりしないのだろうか。サントリーの広報部に聞いてみた。

「ノンアルコール梅酒と梅ジュースの違いについてですが、弊社の商品に関しては『味わい』『香り』が梅酒に非常に近いものになっており、梅ジュースとは明らかに違います」
味わい、香りを言語化するのは難しいと思うけれど、あえて言うなら、たとえば「梅ジュース」のほうが甘いとか、そういうこと?
「甘みの違いというよりも、もっと複雑な味わい、香りがあるかどうかの違いですね。アルコール飲料の場合は、アルコールそのもの以外に様々な成分が混ざり合うことによる複合的な味わい、香りがあるんです。一口飲んでいただくと、明らかに違いを感じていただけると思います」

そもそも「作り方」も、梅ジュースとは全く違うという。
梅ジュースの場合は、梅の下処理をした上で、氷砂糖と梅を交互に瓶に入れて重ねていき、瓶を毎日揺すって混ぜる……というのが一般的な作り方だけど、どう違うんでしょう?
「『まるで梅酒なノンアルコール』の場合、梅酒を一度作ってから、アルコール分を技術によって抜き取っているんです」
そのため、梅酒ができる過程で生まれる複雑な香りと味わいが、アルコールを除いても残るということのよう。

ところで、ノンアルコール梅酒って、未成年でも買えるんでしょうか。
「理屈から言えば買えますが、未成年が飲むことは推奨していません。大人も子供も、誤飲の可能性があるので勧めておりませんし、売り場についても、万が一誤飲で事故があるといけませんので、酒売り場で扱うなど、取扱いに注意を払ってもらっています」

そういえば最近、コンビニで梅酒を買おうとした際、ノンアルコールばかりで驚いたことがあるけど、いつの間にかノンアルコール梅酒が従来の梅酒よりも伸びていたりするんでしょうか。
「伸び率はもちろんノンアルタイプが優勢ですが、絶対数では今も缶、瓶、紙パックなどを含めてアルコールを含むもののほうが圧倒的に多いんですよ。冷蔵した缶はノンアルが目立つかもしれませんが、常温のものはお店では下のほうの棚にあるなど、目立ちにくいのかもしれません」

まだ絶対数ではアルコール入りに及ばないようだけど、「お酒を飲みたい気分」を満たしてくれるノンアルコール飲料の需要はますます伸びそうです。
(田幸和歌子)