周知の通り、ドルトムントでの活躍を考えれば、香川も中盤の中央で、その位置の高低に関わらず、良い起点を作って、前に良いパスを出せる、そういう選手でもありますから、その能力も、もっと活かしてあげるべきかなと思います。また、香川という選手も、本田と同じように、ボールを多く触りながらリズムを上げて行くタイプの選手だと思いますので、そこはもう少し、周囲の選手がバランスを考えてあげて欲しいなと思います。

それで、3得点、無失点、結果としては快勝となった試合ではありましたが、大きく1つ気になったのは、やはり、遠藤と長谷部の2人のパフォーマンスで、遠藤はパフォーマンスのバイオリズムが落ちている時期なのか、それとも、チームが上手く行っていない影響なのか、遠藤らしくないパスミスも何回かありましたし、フィジカルコンディションも悪そうで、ボールキープや守備の時に軽いプレーが見られました。動けてはいたと思いますが、少しプレー感覚がフワフワしていたような気がします。

そして、長谷部に関しても、いつもにも増してパスミスが多かったように思います。個人的には、少し、これで決めてやろう、という縦パスを狙い過ぎていたかな、という気がしました。攻めの縦パス、楔のパス、それを狙うというのは、もちろん悪く無いと思いますし、むしろ必要だとは思いますが、しかし、もう1つ自分で前にボールを持ち出してから、ドリブルで相手をかわしてから、もしくは、相手を引き寄せてから、それからそういう縦パスを出した方が成功率は上がるかなと思います。

イメージとして、ワンタッチやツータッチぐらいのパスで前線の選手の足元、また、早めのタイミングのクロスでゴール前の選手にピンポイント、というのは分かりますが、しかし、やはり長谷部の場合は、行ける場合は自分でドリブルで突っ掛ける、シュートを撃つ、または、縦パスを入れる場合でも、自分もパスアンドゴーで前へ行く事、それを前提とした縦パス、というプレーをして欲しいなと思います。

そういう意味では、遠藤と長谷部、この2人のコンディションなりパフォーマンスの見極めというのは、きっちりやらないと思わぬ落とし穴になってしまうかもしれない、という気がしていて、もう1人、今野に関してもそうで、遠藤、長谷部、今野、この3人に関しては、少し注視が必要かなと思っています。やはりこの3人は守備の中心でもあるので、ミスが多くなっていたり、軽いプレーが多くなっていたり、という事であれば、他の選手を起用する事も、躊躇せずに行う必要があるかなと思います。理想を言えば、そこをターンオーバーできるようなチームにしておきたいですね。

という事で、2014年ワールドカップ、アジア最終予選、第1戦、ホームでのオマーン戦は、スコア「3−0」での快勝、まずは勝点3をゲットしました。日本の総合的なパフォーマンスとしては、70%ぐらいだったかな、という感じでしたが、しかし、それぐらいのパフォーマンスでも、アジア最終予選の初戦で快勝できた、という事は、やはり日本の地力が上がったのかなと思います。1対1のところで負けていたシーンがほぼゼロだったので、そうなれば、負けるという事はほぼ無いのかなと思います。