GWは格安のイタリア旅行に! 岡本太郎も注目のイタリア映画
『ジャンニと彼をめぐる女たち』
好評を博したデビュー作『8月のランチ』(2008年の東京国際映画祭で上映)に続くディ・グレゴリオ監督の軽妙な喜劇。退職して主夫になった中高年のジャンニが日々することといったら、妻や母たちから命じられる雑用と、ローマの街を犬と一緒にする散歩ぐらいで、ぞんざいに扱われていた。親友の情事を知り、近所の年寄りと若い女性の抱擁現場を目撃したジャンニは、人生に潤いを取り戻すために恋人を見つけようとするのだが…。11年ベルリン国際映画祭特別招待作品。
『至宝』
『湖のほとりで』が日本でもヒットしたモライヨーリ監督が、前作に続いて名優トニ・セルヴィッロを主演に迎えた2作目。イタリアのとある大手食品メーカーにもグローバル化の波が押し寄せるが、身内を中心に固められた家族的な経営では太刀打ちできない。負債は膨らむばかりで、ありとあらゆる手段を取ることになるが…。実際に起こった事件から創作されたということもあってドラマは生々しく、老獪な会計係役を演じるセルヴィッロのいぶし銀の演技も光る。
『天空のからだ』
思春期の少女がとまどいや葛藤を抱きつつも自分なりの生き方を見つけていく歩みを、繊細な演出と瑞々しい映像でたどる女性監督ロルヴァケルのデビュー作。13歳のマルタとその家族はスイスから10年ぶりに帰国し、南イタリアのレッジョ・カラブリアに再び住み始める。カトリックの儀式を受けるために、マルタは教会の日曜学校に通うが、その世界になかなかなじめないでいた。本作は、昨年のカンヌ国際映画祭監督週間に選ばれたのをはじめ、数多の映画祭で上映されている。
『七つの慈しみ』
昨年のマラケシュ国際映画祭で審査員長だったクストリッツァ監督から絶賛され、最優秀演出賞を受賞したデ・セリオ兄弟の長編第1作。トリノ郊外に生きる不法移民のルミニツァは、喉から手が出るほど欲しい身分証明書との引き換えに、赤ちゃんを盗むことにする。その過程で末期の病人であるアントニオの家に押し入るが、計画は当初とは異なる方向に進んでいってしまう。研ぎ澄まされた映像と音響のもと、現代社会における寄る辺なさとともに希望も浮き彫りにされる。
『錆び』
1970年代後半、北イタリアの町はずれに、優秀な医者が赴任する。尊敬の念で見る大人たちだったが、子供たちの目に映るのは全く違う姿だった。やがて、凶悪な事件が連続して発生、少年少女の三人に大きなトラウマを残すことになる。30年後、大人になった彼らははたして…。フィリッポ・ティーミ、ステファノ・アッコルシ、ヴァレリオ・マスタンドレアが出演。鬼才ガッリャノーネ監督がスターとタッグを組んだ意欲作は、昨年のヴェネチア映画祭で高く評価された。
『大陸』
漁業が衰退の一途を辿るシチリアの離島で、20歳のフィリッポは、漁師だった亡き父の後を継いだ。一方で、島から出て行くことを夢見る母は、観光業で当座の生活をしのごうとする。だが、フィリッポと祖父が海上で遭難していたアフリカ難民を救ったことから、事態は一変する。雄大なシチリアの海を背景に、未来に向かって生き抜こうとする人々を力強く映し出した本作は、昨年のヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞、本年の米アカデミー賞イタリア代表にも選ばれた。
『シャッラ/いいから!』
ヴィルズィ監督の作品やモンタルバーノ警部シリーズの脚本を手掛けてきたブルーニの初監督作にして、ハートウォーミングな喜劇。かつては教師だったがやる気をなくした中年のブルーノは、著名人の自伝のゴーストライターや家庭教師の仕事で、適当に暮らしていた。ある日、教え子のルカの母親が急に現れ、ルカは彼の息子だという驚愕の事実を明かし、その上しばらく預かってくれと言うのだった。11年ヴェネチア国際映画祭コントロカンポ・イタリアーノ部門の受賞作。
『バッグにはクリプトナイト』
脚本家(『明日のパスタはアルデンテ』『ミラノ、愛に生きる』)、作家、翻訳家と多才なコトロネオの初監督作。1970年代のナポリで、大家族の浮き沈みが笑いに包まれながらしっとりと物語られる。9歳のペッピーノには、自分がスーパーマンだと信じている風変わりな従兄がいた。ちょっと騒々しくも微笑ましい家族だったが、従兄が突然亡くなってしまう。調和は崩れ始め、ペッピーノは先行き不安な生活に向き合うことになる。11年ローマ国際映画祭コンペ部門出品。
好評を博したデビュー作『8月のランチ』(2008年の東京国際映画祭で上映)に続くディ・グレゴリオ監督の軽妙な喜劇。退職して主夫になった中高年のジャンニが日々することといったら、妻や母たちから命じられる雑用と、ローマの街を犬と一緒にする散歩ぐらいで、ぞんざいに扱われていた。親友の情事を知り、近所の年寄りと若い女性の抱擁現場を目撃したジャンニは、人生に潤いを取り戻すために恋人を見つけようとするのだが…。11年ベルリン国際映画祭特別招待作品。
『湖のほとりで』が日本でもヒットしたモライヨーリ監督が、前作に続いて名優トニ・セルヴィッロを主演に迎えた2作目。イタリアのとある大手食品メーカーにもグローバル化の波が押し寄せるが、身内を中心に固められた家族的な経営では太刀打ちできない。負債は膨らむばかりで、ありとあらゆる手段を取ることになるが…。実際に起こった事件から創作されたということもあってドラマは生々しく、老獪な会計係役を演じるセルヴィッロのいぶし銀の演技も光る。
『天空のからだ』
思春期の少女がとまどいや葛藤を抱きつつも自分なりの生き方を見つけていく歩みを、繊細な演出と瑞々しい映像でたどる女性監督ロルヴァケルのデビュー作。13歳のマルタとその家族はスイスから10年ぶりに帰国し、南イタリアのレッジョ・カラブリアに再び住み始める。カトリックの儀式を受けるために、マルタは教会の日曜学校に通うが、その世界になかなかなじめないでいた。本作は、昨年のカンヌ国際映画祭監督週間に選ばれたのをはじめ、数多の映画祭で上映されている。
『七つの慈しみ』
昨年のマラケシュ国際映画祭で審査員長だったクストリッツァ監督から絶賛され、最優秀演出賞を受賞したデ・セリオ兄弟の長編第1作。トリノ郊外に生きる不法移民のルミニツァは、喉から手が出るほど欲しい身分証明書との引き換えに、赤ちゃんを盗むことにする。その過程で末期の病人であるアントニオの家に押し入るが、計画は当初とは異なる方向に進んでいってしまう。研ぎ澄まされた映像と音響のもと、現代社会における寄る辺なさとともに希望も浮き彫りにされる。
『錆び』
1970年代後半、北イタリアの町はずれに、優秀な医者が赴任する。尊敬の念で見る大人たちだったが、子供たちの目に映るのは全く違う姿だった。やがて、凶悪な事件が連続して発生、少年少女の三人に大きなトラウマを残すことになる。30年後、大人になった彼らははたして…。フィリッポ・ティーミ、ステファノ・アッコルシ、ヴァレリオ・マスタンドレアが出演。鬼才ガッリャノーネ監督がスターとタッグを組んだ意欲作は、昨年のヴェネチア映画祭で高く評価された。
『大陸』
漁業が衰退の一途を辿るシチリアの離島で、20歳のフィリッポは、漁師だった亡き父の後を継いだ。一方で、島から出て行くことを夢見る母は、観光業で当座の生活をしのごうとする。だが、フィリッポと祖父が海上で遭難していたアフリカ難民を救ったことから、事態は一変する。雄大なシチリアの海を背景に、未来に向かって生き抜こうとする人々を力強く映し出した本作は、昨年のヴェネチア国際映画祭で審査員特別賞を受賞、本年の米アカデミー賞イタリア代表にも選ばれた。
『シャッラ/いいから!』
ヴィルズィ監督の作品やモンタルバーノ警部シリーズの脚本を手掛けてきたブルーニの初監督作にして、ハートウォーミングな喜劇。かつては教師だったがやる気をなくした中年のブルーノは、著名人の自伝のゴーストライターや家庭教師の仕事で、適当に暮らしていた。ある日、教え子のルカの母親が急に現れ、ルカは彼の息子だという驚愕の事実を明かし、その上しばらく預かってくれと言うのだった。11年ヴェネチア国際映画祭コントロカンポ・イタリアーノ部門の受賞作。
『バッグにはクリプトナイト』
脚本家(『明日のパスタはアルデンテ』『ミラノ、愛に生きる』)、作家、翻訳家と多才なコトロネオの初監督作。1970年代のナポリで、大家族の浮き沈みが笑いに包まれながらしっとりと物語られる。9歳のペッピーノには、自分がスーパーマンだと信じている風変わりな従兄がいた。ちょっと騒々しくも微笑ましい家族だったが、従兄が突然亡くなってしまう。調和は崩れ始め、ペッピーノは先行き不安な生活に向き合うことになる。11年ローマ国際映画祭コンペ部門出品。