同様の動画が死ぬほどアップされている、アイスランドの7番ソルステインソンのハンドスプリングスローですが、

 

 こちらの考案者は小野剛さん(元日本代表アシスタントコーチ、現杭州緑城ヘッドコーチ)だってことは割と知られている話だと思います。小野さんといえば、「サッカースカウティングレポート 超一流の分析」がめちゃくちゃ有名な書籍で、ある種指導者のバイブル的な扱いを受けていたと思います。で、以下その記述ですが

サッカースカウティングレポート 超一流の分析
>■サッカーは11対11で行なうもの。この基本を忘れてはならない
>■1人余らせていれば、どこかでマイナス1が生まれている

 このあたりの記述、オシムが確か「オシムの戦術」で言ってた気がするんですが、「スローインが自分達に有利だと考えているのなら間違いだ! 何故ならピッチの中には10人しかいない数的不利の状況なんだから」だと。

 そのあたりを踏まえた上での、ハンドスプリングスローなんでしょうか。実際、これをやってしまえば「高い確率でペナルティエリアに届く」したがってこぼれ球は相手のペナルティエリア近くになり、要するにカウンターを極めて受けにくいわけです。

 じゃあ実際に、ハンドスプリングスローが得点につながりやすいかっていうと、手で普通にやるスローインよりはつながるだろうけどそこまで違いはないのではって気がします。というのは、昨日も観たとおり精度が結構ブレるんで、「あの辺に適当に強いボール」になりがち。セットプレーのキックと同じで、一応みんなボールを視界に収めつつ守ってるわけで。

 で、キックと違って精度がブレブレなので、見た目は派手ですが、得点につながる確率はセットプレーのキック>>>ロングスロー>ハンドスプリングスロー>>>普通のスローイン ぐらいじゃないかな、という気がします。ロングスローというのは、ロリー・デラップ(ストーク)などが得意としているこういうの。

 

 デラップのロングスローがなぜ脅威かというと、ものすごく精度が高いからです。それに比べると、ハンドスプリングスローは飛距離こそ伸びるけど、ボールを軸に頭がでんぐり返しするわけで精度はそれほど期待できない。何が大きいかというと、やっぱりカウンターを受けにくいことじゃないかなと。

 ところで、その論文ってほとんどみなさん見たことないですよね? 僕も今回検索して初めて見つけたんですが、どうもこの論文っぽいです。画像はスクリーンショットで、クリックするとpdfファイルが開きます