いよいよはじまった「ペルソナ4 the ANIMATION」。演出をゲームそのままの再現でストーリーに落としこむという、アニメとしては珍しい大胆な手法で表現。ゲームの中の当たり前がアニメ画面で表現される面白さを堪能してみよう。なんといってもスタイリッシュ!

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尖ったセンスのゲームのアニメ化って難しいだろうなあと思いますよ。
なにが問題ってさー、アニメにしたときにゲーム独特の空気が出なくなっちゃうことですよ。
当たり前っちゃ当たり前、だって媒体が違うんだもの。
戦闘シーンとか。会話シーンだってそう。そのゲームならではのシステムがあって、画面にゲーム特有の表現を目で見て面白いポイントなので、アニメ化してしまうことでそれが「翻訳」されてしまう。ゲームをアニメにしたらこうなるでしょ、っていう通訳になっちゃう。
これがいい方向に働くことが多いからいつもすごいなーと思うんですが、苦労の跡は見て取れます。
 
ところが、やられたね。
ペルソナ4 the ANIMATION」は、まさかのゲームそのままの表現をアニメにするという手法できたよ。

ペルソナ4」がどんなゲームかはこちらを。
推理ジュブナイルと思いきや、最高6股のリア充ライフも楽しめる「ペルソナ4」がアニメ化。ヒャッハー!(エキサイトレビュー) - エキサイトニュース
で、「ペルソナ4」ってセンスのすっごい尖ったゲームなんです。
イメージカラーは黄色。キャラクターやペルソナのデザインも独特なんですが、ゲーム画面のデザインが印象的なんですよ。
でもアニメにしたら、キャラの味は生かせてもそのゲーム画面デザインは表現できなくなるなあ、しかたないなと思っていたら、まんま使ってきましたよ。

わかりやすいところで言うと、戦闘シーン。
ペルソナを使う時、「カッ」という擬音(これがちゃんと文字で書かれるの。ジョジョみたいでかっこいいでしょ!?)と共に、メガネをかけた主人公たちの顔がカットインで入ります。
これは完全再現。「カッ」という書き文字ともにカットインがゲームそのままに入ります。
ゲームのアニメ的部分をそのまま再現ですね。

これは序の口。
もっとも特徴的な部分でプレイヤーも何度も見るものにカレンダーがあります。
今日が何月何日なのかがストーリー進むごとに表示されるんですが、このデザインが黄色と黒で超かっこいいんですよ。
ひゅっと日付部分がずれて、ピクトグラムの天気マークが出てくるんです。
この演出が、まさかそのままアニメに出てくるとは・・・。
アニメで「はい、日付進んだよ」っていう表現は普通は入れないじゃないですか。今日は何月何日です、って。
通常はうざったくなってしまうしマンネリ化するので避けられるんですが、このゲームの表現手法を使うと違和感皆無。
ほんとはカットしちゃうこともできるかのように思えますが、実は日付と天気がこのゲームでは死ぬほど重要なんです。本当にキャラの命にかかわるほど。だからアニメでも絶対外せない。じゃあどうする? 
そのまま使っちゃうとはね。恐れ入りました。

まだまだあります。
ゲーム画面では、前面にキャラクターのリアル絵、背面に3Dポリゴンのちびキャラがいて会話するんですが、びっくりするとびっくりのマークが、焦ると汗が、驚いたら「!」がちびキャラの頭に浮かぶんです。
割と記号的に、頻繁に出てくるんですが、まさかアニメのリアル等身でも頭にそれの記号が浮かぶたぁ思わなかったよ!
これはゲームやっていない人だと、昔ながらのアニメっぽいねで済むと思うんですが、ゲーム既プレイヤーとしてはニヤニヤもの。
いやあよくやってくれた。がんばってくれた!

まだまだまだあります。
ペルソナ4」のゲームイラストはベタアニメ塗りじゃなくて、うっすらとグラデーションが全身にかぶせられています。
これはゲームの止め絵ならではの特殊な塗り方で、スタイリッシュな世界観に合っているなあと思ったんですが、まさかグラデーションかけたままアニメにするとはね。
最近は髪の毛にグラデーションかける作品増えましたが、肌の色までグラデかかったペルソナ4をそのまま再現するとは思いませんでした。

まだまだまだ。「ペルソナ4」は、3から音楽にボーカル入りのものを使っている、当時としては斬新だった作品なのですが、これは曲をそのままアニメにも落としこむことで成功しています。簡単そうに見えますが、ボーカル曲ってセリフとかぶると聞こえづらくなるから調整難しいんですよね。
また、ペルソナシリーズおなじみのオープニングのベルベットルーム。これも一話のオープニングで再現。菜々子による「エブリデイヤングライフジュネス♪」もバッチリ。ファンのツボ押さえまくりでうれしくなります。

いやー、「忠実に再現」する作品って、逆を言えば逸脱が少なくなっちゃうので、堅実でも面白みがなくなることも多々あるんですが、この作品は「おうよ、やるんならどこまでも忠実に再現してやるよ」という意気込みを感じます。これは初体験。
一番笑ったのは、アイキャッチ(※CM前に入る切替画面)が主人公のステータス画面だったということです。
しかも1話でしょ。ステータス全部0なのよ。
ぶははは。これはやられた。
ってことは、最終回近づいたらステータスマックスになるのか……だとしたら胸が熱くなりますね。
 
他にも「ペルソナ4」には独自の表現があります。
たとえば瀕死の敵に対して一斉に全員でタコ殴りにするボコスカラッシュ、人間関係が良好になると登場するタロットカード型のコミュニティランクなどなど。
このへんどうやって再現してくれるのか今から楽しみでなりません。

以前も書きましたが、今年は「ペルソナ4」リアルタイム年なんですよ。
ぜひとも「あー、今年どこかでこんな出来事起きていたんだなー」と肌で感じる用に楽しんでいただきたいです。
これから格闘ゲームも、PSvita版も出ますし、「ペルソナ4」が止まりません!
ちなみに僕は千枝ちゃんが大好きです。蹴られたいです。千枝ちゃんが膝でみかん挟んで絞ったフレッシュジュース飲みたいです。
(たまごまご)