手洗い場もいろいろ変わってきています。

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日本の狭い住宅事情において、どうしても狭くなることの多いトイレスペース。
そんな理由もあり、かつてはトイレタンクの上についた手洗い場が主流だったように思うが、近年は一体型のタンクレストイレが人気となっている。
ってことは、もしかして「手洗い場」は逆に増えていたりする?
TOTOに聞いた。

「タンクレストイレの場合は確かに手洗い機能が付けられないため、別途手洗い場をトイレ内にコンパクトにつけられるプランをお勧めしています。ですが、タンクレストイレを購入される方の割合は高くなく、タンクレストイレの人気の高まりから単独の手洗い場が増えているかというと、分かりません」
ただし、リフォーム時に希望するトイレの形状を尋ねたアンケート結果では、「タンクのない形状のトイレを設置したい」という人が圧倒的に多く、8割を示していたとか。
実際の住宅リフォーム時におけるタンクレストイレ設置の割合も、2003年にはわずか10件に1件の設置率であったものが、2008年には4件に1件と大きく伸びているという。

ところで、「手洗い場はタンクの上で十分」「あってもなくても別に良い」という人がけっこういる一方で、なかには「子供が手を洗うとき、洗いにくい&水を周囲にとばしてしまう」「お年寄りが手を洗いにくい」などの声もあるもの。
そんななか開発された、ユニバーサルデザインに配慮した「手洗いのしやすさを追求したトイレ」というのもあるそうだ。
その名も「GG-800」。

「狭いトイレの個室内では、小さいお子さんが手を洗うときに、トイレのフタにのぼったりすることもあり、器具の故障や落下につながる恐れがあるということが、検証の中から見えてきました。そこで、ユニバーサルデザイン研究所の研究・検証により、背の高い方も低い方も、みんなが使いやすい高さを『床から手洗いボウルまでの位置800mm』として開発しました。様々な方に使っていただき、ムリな姿勢になっていないかなどを調査し、ベストの高さ・位置を追求したんです」

GG-800の手洗いボウル部分は、「しっかり手を洗っても、手が当たらず、水切り動作をしてもまわりに水はねしにくい、深さや大きさにもこだわった大きく口を開いた形状」も追求している。

あったかい便座を含め、日本のトイレの技術は世界的に有名だが、「手洗い場」ひとつをとっても、細やかな視点から、より便利に変わってきているようです。
(田幸和歌子)