「母子に味覚の違いはあるのか」をチェック中!

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以前付き合っていた彼女が、よく料理をふるまってくれた。……しびれを切らしたのだろう。ハッキリと言われたことがある。
「何作っても美味しいって言うから、もう信用できないよね(笑)」
あまりにも図星。その時は、もはや情けない笑顔で返すことしかできなかった。実は、私も自覚していたのだ。我ながら、舌がショボい。例えば、名だたる名店に行ったとしても、その辺の居酒屋で食べても、同じように美味しく感じる味オンチっぷりで。

そんな私が、面白いセミナーに行ってきました。森永乳業が9月27日に開催したのは「母子味覚テスト結果発表セミナー」。
同社では、小学5〜6年生の子供とその母親、52組104名を対象とした「味覚テスト」を8月に実施。このテストで「母子に味覚の違いはあるのか」、「母子の味覚の鋭敏さの差異にはどのような要因があるのか」等を調査したそうなのだ。そして、その結果を今回のセミナーで教えてくれるという。
これで、もしかしたら私のダメっぷりの要因がわかるかもしれない。それなりの意気込みを持ちつつ、このメディアセミナーに臨んでみました!

まず説明していただいたのは、8月に行われたテストの内容。
当日は、“基本五味”と言われる「甘味」、「塩味」、「酸味」、「苦味」、「旨味」の五種類の水が用意されたそう。しかも、それらの水には“薄い(レベル5)→濃い(レベル1)”と5段階の濃度サンプルがあり、それらを薄い濃度から1段階ずつ試飲する。その後、「これは苦味かな?」、「この水は、甘味でしょう!」と解答してもらうことで、各自の味覚レベルを計測。……といった方法の、味覚テストが実施されたとのこと。
そして、気になる調査結果。なんと、母子の判別レベルの平均値では五味全てにおいて「母親が子供よりも優れた味覚を持っている」というデータが残されたのだ。
「当初は、『子供の方が優れた感覚を持っているんじゃないか』という想定もあったのですが、母親の方が総じて敏感な味覚を持っていました」(同社の製品検査室マネージャー・海老澤氏)
この結果から導き出されたのは、「味覚は成長する」という結論である。

では成績上位者には、何か理由があるのだろうか? ……ある。上位者たちの食生活を調べると、「好き嫌いのない人が多い」という共通した傾向があったらしい。食生活に関するアンケートの集計結果を見ると、それは明らか。
母親に関していうと、成績上位者の41.7%が「好き嫌いは全くない」と回答している(下位グループ内では、27.3%に収まった)。
子供に至っては、上位グループの80%以上は、好き嫌いがない子たちで形成されていた(「好き嫌いは全くない」と回答したのが16.7%で、「好き嫌いはあまりない」と回答したのは66.7%)のに対し、下位グループで好き嫌いがない子は、わずか36%(「好き嫌いは全くない」と回答したのは9.1%で、「好き嫌いはあまりない」と回答したのは27.3%)。

また、食事の際に気を付けることについて。「外食時、どのような食材や調味料で作られているか意識しているか?」というアンケートが実施され、「意識している」と回答した割合は、上位グループ(母親は83.3%、子供は50.%)が下位グループ(母親は63.6%、子供は18.2%)を圧倒。

以上の結果から、「味覚向上には“記憶”が重要である」という結論が導き出された。
素材や味付けなど様々な周辺情報に関心を持つ。色々な食材を試し、食品に幅広く、積極的に触れる。食事の際に、食の話題でコミュニケーションを図る。これらの行いによって、味の記憶が形成されていくのだ。

でも、どうして「味覚が良い」といいのか? 別に、味オンチでも……。いや、そんな事ない! 味覚が向上すると、不健康な食生活が排除できる。
想像してほしい。「コレ、ちょっとショッパ過ぎるな」、「甘過ぎる!」なんて感じたら、それらの食事を避けたり吐き出したりすることがあるだろう。それが、イコール健康につながるのだ。味覚が、“生体防御”の機能を果たしている。

実はセミナー内で、私も味覚テストを体験させていただきました。内容は、母子味覚テストにおける最高難易度(一番薄い)の五味の水を飲み、それぞれが何味かを当てるというもの。
結果、私が正解したのは「苦味」と「甘味」の二味のみ。確率でいうと、たった4割。全問正解を果たす人も多い中、相変わらずの味オンチっぷりで……。

ちなみに、同社内には「風味パネルマイスター」という資格があるという。私たちが体験したような試験を経て、優れた味覚の持ち主と認められた者は同資格を与えられる。そして、彼らの能力が製品の“品質管理”や“美味しさ追求”に活用されるのだ。

なるほど、味覚は日々の生活において非常に大事なもののようだ。でも、今回のセミナーで「味覚は成長する」ということもわかっている。
これからは味覚向上を心がけ、私も豊かな食生活を送っていこうと思います!
(寺西ジャジューカ)