シンプルなトーストは美味しそう。

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自分なりに、体内時計があることを自覚している。「お腹が空いたな……」と感じ始め、時刻をチェックすると、やっぱり昼の12時。もしくは、夜の8時。
食事時に関していえば、時計いらずだった自分。

しかし、この時計をチラ見したが最後。いつでも、お腹がグゥグゥ状態になってしまう。「株式会社おりある」が販売する『トースト時計』が、あまりにも食欲をそそるのだ。

もう、四の五の言わずに画像を見ていただきたい。こんがり焼き上がったトーストの形をした時計。これは、飲食店で展示されている本物の食品サンプルを使用して製造された物である。時刻の数字も焦げ目で記されているし、誤って食べちゃいそうだ。
もちろん、食べられない。だって、時計だから。

それにしても、どうしてこんな時計を? このトーストをひとつひとつハンドメイドで製作している、同社の鈴木さんに伺ってみた。
「安価でわかりやすくて、食品サンプルを堪能していただけるものはないかと妻との雑談の中で思いついた商品です」
同社が設立されたのは、昨年の1月。実はそれ以前の鈴木さん、合羽橋にある老舗サンプル会社で工場長として勤務していた。食品サンプル界の手練れなのである。

そんなベテランが設立した同社では、食品サンプルを用いたアイテムを多数展開中。『カキピーストラップ』や『輪切りスイカの壁掛け時計』など、どれも不意にパクッといってしまいそうなクオリティの商品ばかりが発表されてきた。
これらが、どれも素晴らしい出来栄えなのはわかった。でも、どうしてこういうことを? それまで、正統派の食品サンプルばかりを作っていたベテランが……。
「食品サンプルの素晴らしさを一般の方にも感じてほしいのです。店頭で当たり前に見ることはあっても、実際に持っている方は少数派ですので」(鈴木さん)

その中でも、同社のセールスランキング1位は『厚切トーストの置き時計』(3,150円)。2位が『薄切トースト時計』(3,150円)で、5位には『MEGAトーストの掛け時計』(5,800円)がランクインしている。もう、完全にトーストが上位を占めているじゃないですか!
でも、それも道理だ。何しろ、抜群に美味しそうなんだもの。
「ジャムを塗ったりなど検討しましたが、一番シンプルで可愛いと結論を出し、現行のスタイルとなっております」(鈴木さん)
正しい。こんなトーストにこそ、我々は最も魅かれる。

今や同社の稼ぎ頭である『トースト時計』には、反響も続々と寄せられているようで……。
「『可愛い!』、『お腹が減る時計だ』、『超リアルで凄い』といった声を頂戴します。あと、皆さんが口を揃えて言うのは、『気持ちが落ち着く』、『頑張ろうという気持ちになる』といったご感想です」(鈴木さん)

そんなトースト時計は、誕生日プレゼント、結婚祝い、新築祝いなど贈答用に重宝されている模様。
「お店用に買う方からは、お客様への印象づけに最適であるとの声をよく聞きます。トースト時計のある花屋、タルト時計のある喫茶店のような使い方のようです」(鈴木さん)
イカした店だな! そんな喫茶店で、モーニングを食べてみたい。

これらの食品サンプル商品は、同社直営店か、同社の通販サイト「リアルギフトおりある」にて購入することができる。

「合羽橋道具街では、通常のトーストの食品サンプルが5,000円で販売されています。しかし当社のトーストは、時計機能と電池1年保証がついて3,150円です。価値観がわかる方は、即買いします!」(鈴木さん)
リピーターも多く、御祝い事がある度に購入する方もいるとのこと。

食品サンプルを見てるだけで、幸せな気分になることがある。きっと、あれを「多幸感」というのだろうな。
ならば、この『トースト時計』は、実用性も兼ねた“幸せ時計”だ。
(寺西ジャジューカ)