男のための「着物のはじめかた」講座に行ってみた
近年、着物を着こなす若い男性が増えている。しかし、実際興味はあるけれど、まず何から始めて良いのか分からないという人も多いはず。そこで、「着物と触れ合い、日本の伝統を伝える。楽しむ」ことを提唱し、インターネットサイト「kimondou.jp」(キモンドウ)も運営するジャパンスタイルで、男性のための和装についてうかがった。近頃の男性向け着物事情と入門方法を教えてください。
「洋服が文化として日本へ本格的に入ってきた明治以降、時代を経るごとに和服は高級品になりました。しかし近年では再び一般化されつつあり、以前と比べより身近なものとして浸透し始めています。最近は男性からのお問い合わせも多いです」
やはり注目度は増しているのだ。着物といっても色々種類はあるが、実際どう違うのだろうか? 全くの素人のため、浴衣くらいしか分からないのですが……。
「基本的には和装は着物と羽織でワンセット。袴をつけると礼服になります。季節によって着るものは変わり、10月から5月は袷(あわせ)、6・9月は単衣(ひとえ)、7・8月は夏物になります。浴衣はくつろぎ着で入浴後等に着るものも。また外出の際は夏物と同じ時期に着ます。季節の先取りは粋ですが、暑いからといって時期が過ぎても夏物を着ているのは無粋です」
ということは、1年間和装をしようと思ったら、少なくとも3種類の着物を揃えねばならないのか。そこまでの金額を和装にまわす余裕がない場合、何から買えば良いのだろうか? 「まず袷の着物と羽織のアンサンブルに角帯と長襦袢(下着)を購入すると良いです。そして単衣を買って、その後、もし広げていきたいなら夏物です。価格は素材と店舗によってまちまちですが、アンサンブルは一式約30〜50万円で揃えられます。需要と供給の関係でどうしても男性の和服は高くなってしまいますが、スーツをオーダーしワイシャツやネクタイ、ベルトなどでトータルコーディネートした金額とほぼ同価格です。それを考えれば、選択肢の一つに加えられると思います」
着物を購入したら、着付けもぜひ自分でできるようになりたいもの。昔の人は着物が身近で自分で着られたかもしれないが、やはり現代人にとって着付教室は必須だ。そもそも着付教室という形態は、いつ頃から始まったのか?
「着付教室がはじまったのは戦後です。昔の写真を見ると、自己流が多いため、きれいに和服を着ている人は少ないです。また、世界各地域にそれぞれ素晴らしい民族衣装がありますが、“着る”という行為を意識的に芸術にまで昇華させた国は少ないと思います。洋服にはないオシャレができますよ」
ちなみにジャパンスタイルでは、着物に興味を持った“超”初心者向けに着物の基本的な知識や購入前のアドバイスなどを行う、少人数制1dayレッスン「着物のはじめかた」セミナーも開いている。そよぐ風に着物の端をなびかせ、さっそうと街を歩いてみたいと思った人は参加してみよう。
(加藤亨延)
「洋服が文化として日本へ本格的に入ってきた明治以降、時代を経るごとに和服は高級品になりました。しかし近年では再び一般化されつつあり、以前と比べより身近なものとして浸透し始めています。最近は男性からのお問い合わせも多いです」
「基本的には和装は着物と羽織でワンセット。袴をつけると礼服になります。季節によって着るものは変わり、10月から5月は袷(あわせ)、6・9月は単衣(ひとえ)、7・8月は夏物になります。浴衣はくつろぎ着で入浴後等に着るものも。また外出の際は夏物と同じ時期に着ます。季節の先取りは粋ですが、暑いからといって時期が過ぎても夏物を着ているのは無粋です」
ということは、1年間和装をしようと思ったら、少なくとも3種類の着物を揃えねばならないのか。そこまでの金額を和装にまわす余裕がない場合、何から買えば良いのだろうか? 「まず袷の着物と羽織のアンサンブルに角帯と長襦袢(下着)を購入すると良いです。そして単衣を買って、その後、もし広げていきたいなら夏物です。価格は素材と店舗によってまちまちですが、アンサンブルは一式約30〜50万円で揃えられます。需要と供給の関係でどうしても男性の和服は高くなってしまいますが、スーツをオーダーしワイシャツやネクタイ、ベルトなどでトータルコーディネートした金額とほぼ同価格です。それを考えれば、選択肢の一つに加えられると思います」
着物を購入したら、着付けもぜひ自分でできるようになりたいもの。昔の人は着物が身近で自分で着られたかもしれないが、やはり現代人にとって着付教室は必須だ。そもそも着付教室という形態は、いつ頃から始まったのか?
「着付教室がはじまったのは戦後です。昔の写真を見ると、自己流が多いため、きれいに和服を着ている人は少ないです。また、世界各地域にそれぞれ素晴らしい民族衣装がありますが、“着る”という行為を意識的に芸術にまで昇華させた国は少ないと思います。洋服にはないオシャレができますよ」
ちなみにジャパンスタイルでは、着物に興味を持った“超”初心者向けに着物の基本的な知識や購入前のアドバイスなどを行う、少人数制1dayレッスン「着物のはじめかた」セミナーも開いている。そよぐ風に着物の端をなびかせ、さっそうと街を歩いてみたいと思った人は参加してみよう。
(加藤亨延)