人生を変えるおみやげ! 奥深き「もなか」の世界
旅に出るとき、あなたがいちばん楽しみしていることは何だろう。郷土色豊かなおいしいものを食べること? 名所を巡ること? あるいは、乗り物にのって移動するときがいちばんテンション上がる! という人もいるかもしれない。私の場合、それはもうお土産を買うことである。
ただ単に「珍しくておいしい」というだけではなく、どこかへんてこだったり、昭和から時が止まったようなパッケージだとなおうれしい。ところが、そんなお土産フリーク? な私をも吃驚させた、こんなもなかを発見。8月末に創刊された雑誌、『八画文化会館』の創刊号特集「終末観光」の「人生を変えるお土産」という記事に載っていた「旅がらすもなか」である(画像)。
本誌は、廃墟や秘宝館などディープでマニアックなテーマを得意とする八画出版初の雑誌。「軍国酒場」や「遊郭跡につくった旅館」などいずれ消えゆく、終末感漂う場所をめぐるかつてない「革命的なニッポンの旅へ」がテーマとなっている。
で、問題の!? 「旅がらすもなか」であるが、これは岐阜県・飛騨街道でひそかに人気のお土産という。マントと三度笠は取り外しできるようになっている(旅装束はひとつひとつ、手作業で着付けしているらしい)。一見、「旅の人」という風情なのだが、三度笠を脱がすとネコのような耳が! 誌面でも「タヌキとキツネが混ざったような、正体不明の動物」と表現されており、ちょっと困ったように遠くを見つめるニヒルな表情にもそそられてしまう。
他に掲載されていたのは、スバル自動車の形をした「スバルもなか」(群馬県)、3.11の震災後、ネット上で大きな反響を呼んだという「原子力もなか」など。編集者の石川春菜さんに、こういう奇妙なもなかって他にもたくさんあるんでしょうか? と聞いてみたところ、
「温泉まんじゅうと同じくらい、全国にまんべんなく存在しています。たとえば、茨城県日立市の『扇風機もなか』とか……扇風機の頭の部分だけを、真正面から見たような形のもなかなんですよ」
なるほど、日立だから扇風機……「銘菓 せんぷうき」なるミスマッチ感あふれるネーミングセンスも素敵だ(調べてみると、日立には他に『モーター最中』というのもあると判明)。節電で扇風機が脚光を浴びたこの夏、「扇風機もなか」もひょっとしたらよく売れたのかもしれない。
「あと、私が気に入っているのは、熊本にある『岩』をかたどったもなかです。一応、観光名所の『立神峡』がモチーフなんですけど、何せ『岩』なので地味というか、なんだかよくわからない形になってしまっているのがおもしろくて。『もの』ではなく『風景』をもなかにする、という発想にシビれました」
これは……もらったほうも食べる前にこれ、なんだろう? とじっと見てしまいそうですね(笑)。
なお、本記事には他にも、大仏の頭から(脳)味噌が出ているように見える罰当たり!? な発想の大仏味噌や、昭和のかほり漂う洋菓子店で捕獲した「たぬきケーキ」などなど、度肝を抜かれるお土産がいっぱい。
石川さんによれば、発売後はTwitterで話題になるなど、非常に好評だそう。
「ご紹介した珍スポットや宿の中にはもう廃業しちゃってたり、おみやげも生産をやめてたりして、本誌を参考に旅をするのは大変かもしれません。それでも、本誌を読んで『旅に出たい』という気持ちになっていただけたら、うれしいですね」とのこと。
なお、『八画文化会館』は年1回ペースでの発行をめざしているそうで、現在、来年夏に発売予定の第2号を制作中とのこと(テーマは『宿』を予定しているそうだ)。折しも、世は秋の旅シーズン。本誌をスーツケースにそっとしのばせ、頭の中が???でいっぱいになる謎なおみやげを買いに、あるいは一抹のさみしさを感じるためだけに旅に出る……というのも一興かもしれない。
(まめこ)
ただ単に「珍しくておいしい」というだけではなく、どこかへんてこだったり、昭和から時が止まったようなパッケージだとなおうれしい。ところが、そんなお土産フリーク? な私をも吃驚させた、こんなもなかを発見。8月末に創刊された雑誌、『八画文化会館』の創刊号特集「終末観光」の「人生を変えるお土産」という記事に載っていた「旅がらすもなか」である(画像)。
本誌は、廃墟や秘宝館などディープでマニアックなテーマを得意とする八画出版初の雑誌。「軍国酒場」や「遊郭跡につくった旅館」などいずれ消えゆく、終末感漂う場所をめぐるかつてない「革命的なニッポンの旅へ」がテーマとなっている。
他に掲載されていたのは、スバル自動車の形をした「スバルもなか」(群馬県)、3.11の震災後、ネット上で大きな反響を呼んだという「原子力もなか」など。編集者の石川春菜さんに、こういう奇妙なもなかって他にもたくさんあるんでしょうか? と聞いてみたところ、
「温泉まんじゅうと同じくらい、全国にまんべんなく存在しています。たとえば、茨城県日立市の『扇風機もなか』とか……扇風機の頭の部分だけを、真正面から見たような形のもなかなんですよ」
なるほど、日立だから扇風機……「銘菓 せんぷうき」なるミスマッチ感あふれるネーミングセンスも素敵だ(調べてみると、日立には他に『モーター最中』というのもあると判明)。節電で扇風機が脚光を浴びたこの夏、「扇風機もなか」もひょっとしたらよく売れたのかもしれない。
「あと、私が気に入っているのは、熊本にある『岩』をかたどったもなかです。一応、観光名所の『立神峡』がモチーフなんですけど、何せ『岩』なので地味というか、なんだかよくわからない形になってしまっているのがおもしろくて。『もの』ではなく『風景』をもなかにする、という発想にシビれました」
これは……もらったほうも食べる前にこれ、なんだろう? とじっと見てしまいそうですね(笑)。
なお、本記事には他にも、大仏の頭から(脳)味噌が出ているように見える罰当たり!? な発想の大仏味噌や、昭和のかほり漂う洋菓子店で捕獲した「たぬきケーキ」などなど、度肝を抜かれるお土産がいっぱい。
石川さんによれば、発売後はTwitterで話題になるなど、非常に好評だそう。
「ご紹介した珍スポットや宿の中にはもう廃業しちゃってたり、おみやげも生産をやめてたりして、本誌を参考に旅をするのは大変かもしれません。それでも、本誌を読んで『旅に出たい』という気持ちになっていただけたら、うれしいですね」とのこと。
なお、『八画文化会館』は年1回ペースでの発行をめざしているそうで、現在、来年夏に発売予定の第2号を制作中とのこと(テーマは『宿』を予定しているそうだ)。折しも、世は秋の旅シーズン。本誌をスーツケースにそっとしのばせ、頭の中が???でいっぱいになる謎なおみやげを買いに、あるいは一抹のさみしさを感じるためだけに旅に出る……というのも一興かもしれない。
(まめこ)