今年の秋はコレ! 史上最高のピアニスト、リストとは?
フランツ・リストを知っていますか? 1811年にハンガリーで生を受け、オーストリアやウィーン、パリなどヨーロッパ各地で活躍したピアニストだ。じつは今年2011年は、生誕200周年となるリストの記念年。そこで彼の魅力を探るため、スイス・ルツェルン音楽祭などで活躍するパリ在住のクラリネット奏者で、今秋日本でおこなわれるコンサート「フランツ・リスト200年の祈り」にも出演する綱場千晶さんに、その魅力をうかがった。
「リストの演奏は当時から最高のものと言われ、どんな曲でも初見で弾きこなせたそうです。技術だけでなく、弾き方も大変情熱的だったと言われています。リストの演奏によって、観客に多くの失神者が出たという記録も残っているほどです」
天才ピアニストとしてヨーロッパ楽壇に君臨していたリストは、同時代に活躍したショパンやシューマンとも親交があったそうだ。そして彼の能力はピアニストという枠だけにはとどまらなかった。
「30代後半以降は、リストは才能をさらに華開かせました。交響詩という曲を演奏者に自由解釈させず、詩によって場面を設定した上で弾かせる、新ジャンルの音楽を創始したのも彼です。評論家としても若手作曲家を認め、後に『わが祖国』で有名になるチェコの作曲家スメタナも資金援助しました。また故郷ハンガリーのブタペストに音楽院も設立しています」
10代でウィーンに移り、その後パリに移住したリストだが、故郷ハンガリーを忘れることはなかった。1838年にドナウ川が氾濫し大きな被害を被った際も、彼はチャリティー・コンサートを開いている。そして奇しくもリストにとって節目の今年、日本では東日本大震災があり津波により多数の方が犠牲になった。
「私たちも国内外の演奏者の賛同を得て、『震災復興支援国際交流演奏会』という形でヨーロッパおよび日本でコンサートを開くことになりました。パリ、ワルシャワ、ウィーンとヨーロッパ各地を回った後、10月には日本でも演奏します」
このコンサートにはシプリアン・カツァリス氏、ディーナ・ヨッフェ氏、ミヒャエル・ヴァイマン氏など世界的な演奏者が集う。日本からは東誠三氏や、興味深いところでは重要無形文化財総合保持者の小鼓方・久田俊一郎氏なども参加する。
「京都では清水寺や二条城でも演奏をおこないます。木造に音が反響して、柔らかで自然なぬくもりが全体を包むでしょう。日本でしか感じられない、心の底から優しくリストの音楽に触れられる空間を考えています」
スケジュールは10月3日(月)京都堀川音楽高校ホール、4日(火)東京銀座ヤマハホール、8日(土)京都御所白雲神社、9日(日)京都清水寺、11日(火)京都二条城、12日(水)京都コンサートホール。日本の国宝とヨーロッパの至宝が出合う音楽のコラボレーションをご堪能あれ。
(加藤亨延)
天才ピアニストとしてヨーロッパ楽壇に君臨していたリストは、同時代に活躍したショパンやシューマンとも親交があったそうだ。そして彼の能力はピアニストという枠だけにはとどまらなかった。
「30代後半以降は、リストは才能をさらに華開かせました。交響詩という曲を演奏者に自由解釈させず、詩によって場面を設定した上で弾かせる、新ジャンルの音楽を創始したのも彼です。評論家としても若手作曲家を認め、後に『わが祖国』で有名になるチェコの作曲家スメタナも資金援助しました。また故郷ハンガリーのブタペストに音楽院も設立しています」
10代でウィーンに移り、その後パリに移住したリストだが、故郷ハンガリーを忘れることはなかった。1838年にドナウ川が氾濫し大きな被害を被った際も、彼はチャリティー・コンサートを開いている。そして奇しくもリストにとって節目の今年、日本では東日本大震災があり津波により多数の方が犠牲になった。
「私たちも国内外の演奏者の賛同を得て、『震災復興支援国際交流演奏会』という形でヨーロッパおよび日本でコンサートを開くことになりました。パリ、ワルシャワ、ウィーンとヨーロッパ各地を回った後、10月には日本でも演奏します」
このコンサートにはシプリアン・カツァリス氏、ディーナ・ヨッフェ氏、ミヒャエル・ヴァイマン氏など世界的な演奏者が集う。日本からは東誠三氏や、興味深いところでは重要無形文化財総合保持者の小鼓方・久田俊一郎氏なども参加する。
「京都では清水寺や二条城でも演奏をおこないます。木造に音が反響して、柔らかで自然なぬくもりが全体を包むでしょう。日本でしか感じられない、心の底から優しくリストの音楽に触れられる空間を考えています」
スケジュールは10月3日(月)京都堀川音楽高校ホール、4日(火)東京銀座ヤマハホール、8日(土)京都御所白雲神社、9日(日)京都清水寺、11日(火)京都二条城、12日(水)京都コンサートホール。日本の国宝とヨーロッパの至宝が出合う音楽のコラボレーションをご堪能あれ。
(加藤亨延)