「薬科大学らしいパッケージにしよう」という意気込みにより、このようなデザインとなった。

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私には、パソコンに向かう時に欠かせないものがある。まず、ペットボトル飲料は傍らに置いておきたい。そして、ガムや飴も大事。
無いと、なぜか落ち着かないのだ。どこか、自分の中でマスト事項にしているんだろうな。……どうして、マストなんだ? 我ながら、わからない。ただ単に、手持ち無沙汰なだけなんだろうけど。

どちらにしろ食べたり飲んだりするんであれば、パワーになるようなものを口にしたい。例えば、こんなやつを……。
東京薬科大学が2010年3月より販売している飴が、ちょっと面白いのだ。その名も『元気が出る飴』。

大胆なネーミングだ。どストレートに『元気が出る飴』。しかも、薬学を学ぶ大学と同大学の生協が共同開発した飴である。
このような一品を開発したきっかけを、東京薬科大学に直接伺ってみた。
「大学の創立130周年に合わせ、2010年より『元気が出る飴』を“開発販売”しております。当大学には『薬膳カレー』や『はっぴ型てぬぐい』など、およそ55種類のオリジナルグッズがあるのですが、その中でも『薬科大学らしいパッケージにしよう』という生協の積極的な企画考案によって、この飴は誕生いたしました」(同大学・広報)

”薬科大学らしいパッケージ”とは? それに関しては、画像を見ていただきたい。もう、思いっきり「薬袋」だから。手に取っただけで「お大事にどうぞ〜!」という、薬剤師さんの声が聞こえてきそうではないか。

まず引き込まれるのは、いきなりの表面。「1日 回 日分」、「食事の 前・後・間」、「毎朝・昼・夕・就寝前」といった、お馴染みの欄がそこには設けられていた。まさに、風邪を引いた時にもらう、例のアノ雰囲気だ。
そして、裏面がまた凝っている。「飴をお受け取りの際は、お名前と中の飴をお確かめください」、「本製品は水、またはぬるま湯で服用する必要はありません」などの“注意書き”が仰々しく書かれており、シリアスモードを崩さない。
この飴は、薬なのか……?

いや、薬じゃない。飴だ。しかも製造元は、かの有名な「金太郎飴本店」らしい。味は“グレープ味”になっており、金太郎飴の東薬大版として製造されたという。

これは、食べてみるしかないでしょう! 早速、取り寄せて『元気が出る飴』を体験してみました。
飴を手にしてみると、そこには「東薬」という文字がデザインされていた。赤と白のコントラストが、意外と可愛い。
これをいただきますよー! ……おぉ、フルーティ。はっきり言って、かなり美味しい。さすが、金太郎飴本店製。グレープ味といっても優しい甘みがあって、その風味は「ほのかに漂う」といったところだろうか。ただ口を酸っぱくして言うが、確実にフルーティなのである。

そんなこの『元気が出る飴』、実は東日本大震災の被災者にも配布されているそう。
話は、震災直後の3月に遡る。
「東京都の災害救護薬剤師として、薬学部実務実習研修センターの松本有右教授が陸前高田市に派遣されました。その際、200袋の『元気が出る飴』を持参し、被災者の方ひとり一人に差し上げて来たんです」(同大学・広報)
出発前には、薬学部社会薬学研究室の宮本法子准教授と学生40人が、パッケージにメッセージを書き込んでいるという。そこには、『なんとか元気になってもらいたい!』という思いが当然込められている。

現在、この飴は同大学生協で店頭販売されている。また、メール、電話、FAXでの購入も可能とのこと。価格は1袋10個入りで、350円(税込み)。

「いかにも薬科大学らしいパッケージと、『元気が出る飴」のネーミングが面白いと、学生や一般の方にも好評です」(同大学・広報)
気になる方は、体験してみるといいかもしれない。その粋な外見と、信頼の美味しさのダブルパンチで、ハートをわしづかみされるから。私は舐めて、元気出ました!
(寺西ジャジューカ)


●東京薬科大学生協 
E-mail:toyaku.sb@fc.univcoop.or.jp
TEL:042-676-6368
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