クンクン……?(写真はイメージです)

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テレビCMなどで、男性が集うところに「男くさ〜い!」などと呟く女性……というのは、よく見るパターン。
実際のところ、女性だって加齢臭があったりするし、男女差よりも個人差のほうが大きいこともあるだろう。
だが、最近ちょっと気になるのは、男の子を持つお母さんたちからよく聞く、こんな言葉だ。

「男の子って小さな頃からくさい!」
「男の子は、赤ちゃんの頃からオジサンみたいなニオイがする!」

お母さんたちいわく、「頭が加齢臭みたいなニオイ」「アブラと酢の混じったニオイ」「足がクレヨンみたいなニオイ」などなど。
これってホント? 赤ちゃんが? 男の子のほうが? どうにもピンとこないけれど……。
多汗症・体臭・ワキガなどの治療でおなじみの五味クリニック・五味常明院長に聞いた。

「赤ちゃんの体表には、実はアポクリン腺がたくさんあります。アポクリン腺は、脇の下など特定の部位にしか存在しない汗腺ですが、本来は人間の原始汗腺は、アポクリン腺でした。体中にあったアポクリン腺から、ニオイを出すと同時に原始的な体温調節を行っていましたが、人間の脳が発達するにつれ、アポクリン腺だけの体温調節では不十分になり、エクリン腺に進化していったのです」

赤ちゃんのアポクリン腺は一般的に、成長につれて次第に消滅し、思春期以降に働きが活発になり始めるもの。だが、「原始汗腺」であるだけに、赤ちゃんの頃、一時的にニオイが強まることがあるのだという。

では、性差は?
「皮脂を分泌する皮脂腺は男性ホルモンと関係していて、男性ホルモンは男の子のほうにもともと多いので、男の子のほうがニオイが強いということはあると思います」
ちなみに、アポクリン腺の数も、女性より男性のほうが多く、日本人よりも欧米人などに圧倒的に多いといわれているそうだ。

ただし、なかには「女の子だってくさい!」とか「うちの子は男の子だけど、全然くさくない!」という人ももちろんいるし、家族などのニオイの「くさい愛おしさ」というものだってある。
男性(男の子)のみなさん、どうぞ気を悪くなさらずに。
(田幸和歌子)