存続が危ぶまれていたラフシモンズ復帰 2つの新ライン始動

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 生産パートナーとの契約解消により存続が危ぶまれていたパリのメンズブランド「RAF SIMONS(ラフ・シモンズ)」が、2011-12年秋冬シーズンに向けて新体制を築き、再スタートを切った。セカンドライン「RAF BY RAF SIMONS(ラフ バイ ラフ・シモンズ)」は終了し、2つの新ラインを始動。日本の輸入代理店だったサンフレールとの契約は、2011年春夏シーズンをもって終了している。

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 「RAF SIMONS」は、2011-12年秋冬コレクションをパリ・メンズファッションウィーク期間中の1月にランウェイショー形式で発表したが、急遽ショールーム(展示会)を中止した。理由は、生産を委託していたイタリアのFuturenet Group(フューチャーネット グループ)との契約終了に伴うもので、ブランドの存続を危ぶむ声が相次いだ。しかし翌月、ニューヨークに場所を移してファッションウィーク期間中に展示会を開催。ショーやセールス、生産、デリバリーまで一貫して「RAF SIMONS」カンパニーで行うことが決定するとともに、インディペンデントなブランドとして再出発した。

 メインライン「RAF SIMONS」の2011-12年秋冬コレクションは、ワーキングクラスという階級社会の底辺であるからこそ持ち得る力強さと反骨精神を"市民革命"というテーマの基に表現。日本の販売店「ELIMINATOR(エリミネイター)」のバイヤーは、その魅力について「再スタートに懸けるデザイナーの意気込みをオーバーラップさせているかのような、力強いショールックの数々が心を打つ素晴らしいコレクション」と絶賛している。

 今季の注目は2つの新ライン。ベーシックウェアという位置付けのミニマルなライン「RAF SIMONS 1995」は、過去の名作をリアルクローズにリファインしてリリース。価格帯は1万円台〜を予定している。そして「RAF SIMONS HOUSE」からは、ファッションにプロダクトデザインの要素を取り入れてきたRaf Simonsならではのホームウェアを展開。クッションをはじめ、コレクションルックにも使用されていたエプロンやブランケットのリリースを予定している。価格帯は3万円台〜で、近代建築の巨匠といわれるミース・ファン・デル・ローエの建築物をフィーチャーした大判の織りネームが使用される。

 「FRED PERRY(フレッドペリー)」とのコラボレーションラインや、「JIL SANDER(ジル・サンダー)」のクリエイティブ・ディレクターを務めるなど活躍中のデザイナーRaf Simonsは、自身のブランドの再始動について「名声を手に入れた現在でも、自分は王様になったと思ってはいけない」と語ったという。「RAF SIMONS」の2011年春夏商品は生産サイドの問題で出荷されず幻のコレクションとなっていたため、リリースはおよそ1年ぶり。2011-12年秋冬コレクションは、日本では「ELIMINATOR」の他、限られた店舗で9月上旬より販売が予定されている。

■ELIMINATOR
 住所:渋谷区代官山町10-1
 TEL:03-3464-8144
 WEB:http://www.eliminator.co.jp/
 WEB STORE:http://www.eliminator.co.jp/building