5日のアスレチックス対マリナーズ戦は延長戦となり、10回にマリナーズが2点を加え、4対2で勝ったが、5日付のシアトル・タイムズ電子版は、鍵となったイチローのプレーを取り上げなかった。これに対し、読者から「イチローのプレーが大きかったのに、なぜなにも書かないのか?」とのコメントが寄せられ、記者は記事の書き直しを強いられることになった。

 1アウト、一、二塁で、二番打者のブレンダン・ライアンが二塁へのゴロを打ち、ダブルプレーかと思われたが、一塁走者のイチローが二塁への激しいスライディングでこれを阻止。アスレチックスのクリフ・ペニントン遊撃手の送球エラーで、二塁走者のフランクリン・グティエレスが勝ち越しのホームを踏んだ。

 ダブルプレー崩しとなったスライディングがこの試合の鍵となるプレーだったにもかかわらず、シアトル・タイムズの記事はイチローのプレーについてまったく触れず、先発のフェリックス・ヘルナンデス投手と、打って走って大活躍したダスティン・アクリーに焦点をあてて試合を報じた。

 第一稿が掲載された直後に「イチローのダブルプレーを阻止するスライディングが勝利を呼び込んだのに、なぜ、そのプレーについてなにも書かれていないのか?」との指摘がコメントに寄せられた。その後、イチローの「あそこはダブルプレーを避けたい場面だった」との話や、エリック・ウェッジ監督の「イチローはゆるいゴロが転がったのを見て、激しくスライディングした。あれは大きなプレーだった」との談話などが書き足された。