写真/中島望(タイガーはダメそうな感じ……)

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来週、今季最初のメジャー、マスターズが開幕する。振り返れば、昨年のマスターズの最大の注目は、不倫騒動からの復帰戦をオーガスタで迎えようとしていたタイガー・ウッズだった。タイガーがどんな表情で登場するのか。オーガスタのパトロンたちはタイガーを歓待するのか。果たしてタイガーはどんなゴルフを見せるのか。優勝できるのか。そんなこんなが注目され、開幕前から大騒ぎだった。

しかし、そのマスターズでいきなり4位になったきり、優勝はおろか優勝争いも上位入りもできぬまま、あれから1年が経とうとしている。そして、今年のマスターズ開幕を直前に控えた今、もはやタイガーは最大の注目とは言えない存在になりさがっている。

そもそもタイガーはスイング改造に着手したと公言した昨夏以降、ずっと判で押したような決まり文句しか口にしなくなった。「スイング改造には時間がかかる」「徐々にスイングは良くなっている」「あと少しだけパットが入りさえすれば優勝できた」といった具合。だが、彼のスイングは素人目にも良くなっているようには見えず、まるでゴルフを知らないカメラマンたちでさえ、「なんかインパクトあたりで体が沈み込んで、フォローでのび上がるみたいなあのスイング、おかしくない?」なんて囁き合っているほどだ。新コーチのショーン・フォーリーは米メディアから「タイガーを正しい方向に導いているとは思えない」と批難され始め、本人もなにやら落胆顔で試合会場をうろうろするばかりだ。

「今年も出場する試合はすべて優勝を目指す」「ジャック・ニクラスのメジャー18勝の記録を抜くことを目指す」というタイガーの言葉は、もはや現実味をまるで帯びない絵空事のように聞こえてしまう。

そんな中、「タイガーの記録もジャックの記録も抜いてやる」と強気の発言をしている強気のアマチュア選手が大きな注目を集めつつある。全米アマ優勝の資格で今年のマスターズに初出場するピーター・ユーライン。あのアクシネット社の会長でありCEOでもあるウォーリー・ユーラインの息子。レッドベター・スクールで手ほどきを受け、ジュニア時代から将来を嘱望されてきた。名門オクラホマ州立大学に進学した最初の年は、ちょっぴり躓いたりもして、以後、謙虚になることを覚えて本当に強くなったと米メディアの間では美談が囁かれているのだが、「タイガーもジャックも抜くぞ」発言は、謙虚というより超アグレッシブ。だからこそ、面白そうなのだ。

そのユーラインは、全米アマ優勝者ゆえマスターズ予選ラウンドはディフェンディングチャンプのフィル・ミケルソンと同組で回る。白人のスターとして絶大なる人気を誇るミケルソンと次なる白人のスター候補の同組ラウンドということで、そういう意味で注目は高い。まさしく新時代の幕開けのようだ。(舩越園子/在米ゴルフジャーナリスト)