ソン・ジェギョン
オンラインゲームが本格的にサービスを始めてから今年で15年目。
急速に発展するIT技術に劣らず、ゲーム市場にも多くの変化が起こった。ビデオゲーム市場では既に二回の世代交代が行われ、市場の版図自体が変わったりもした。オンラインゲーム市場も同様で、世界最古のMMORPGの一つともいわれる『風の王国』から、現在NCsoftが開発を進めている『ブレード&ソウル』にいたるまで多くの変化を経てきた。『リネージュ』のようにユーザーから根強い人気を得ているゲームがあるかと思えば、日の目を見ないうちに消えていったゲームも多い。
特に、新しいコンセプトに挑んで多くの人気を得たゲームは、ゲーム市場のトレンド自体を変化させたりもしている。

現在の韓国ゲーム市場は何回かのトレンド変化を経て、様々なジャンルのゲームが共存する市場を形成している。
最近の「G-Star2010」で公開されたゲームのうち、現在のトレンドであるアクションとはまた別の方向からアプローチしているMMORPGがある。
艦隊戦という独特な戦闘システムを披露したXLGamesの『ArcheAge』は、新しい道を開拓している。
その道を韓国を代表するゲーム開発者、ソン・ジェギョン代表のインタビューを掲載する。

Q. NCソフトを退社してかなり長いブランクがありましたが、その間どう過ごしていましたか。
A. 実は開発中のゲーム『ArcheAge』について今年初めて公開されましたが、2006年から構想にとりかかり、2007年から本格的に開発に着手しましたので、かなり時間が経ったことになります。その前にはレースゲームを作ったり、他のゲームを楽しんだりしました。

Q. 韓国を代表する、また第1世代のオンラインゲーム開発者として、『風の王国』を開発した当時と現在のゲーム開発環境はどれだけ、どのように変わったと思いますか。
A. 『風の王国』を開発した当時は、開発環境という用語を使うのがきごちないほど足りないものが多い状況でした。今ではテクノロジーも非常に発展して人材もかなり増えましたが、その分競争も熾烈で負担が増えるようになりました。

Q. 現在の韓国ゲーム市場は15年前と比べて数値的に途方もない発展を遂げました。このような発展は実際に肌で感じられますか。
A. はい。11月にG-Star2010に出展しましたが、非常に発展したことを改めて実感しました。

Q. 現在の韓国ゲームの人気順位を見れば、『リネージュ』がいまだに上位圏を占めています。過去のゲームがこのように長い間上位圏にとどまる理由は何だと思いますか。また、このような現象をどのように見ていますか。
A. オンラインゲームという市場を初期に開拓したゲームですので、先占効果があるのだと思います。また、MMORPGというジャンルの特性上、ゲームを楽しんでいるうちにゲームの中で知り合った友達同士のソーシャルネットワークが生じるという面もあるでしょう。さらには、持続的に行われるアップデートがユーザーに絶えず楽しみを与えてくれるのだと思います。

Q. ここ何年かは大成功を収めたゲームがありませんでした。期待されていたゲームも、いざサービスが始まると期待ほど満足させてはくれませんでした。その原因はどこにあると思いますか。
A. そうですね。私もゲームを開発中でユーザーの判断を仰がなければならない立場ですから、答えにくい質問ですね。ただ、従来のゲームの長所を取り入れた上で、短所と思われる点について差別化されたコンテンツで補完したものを披露する計画です。

▼ソン・ジェギョン(現XLGamesの代表理事)
1992年−KAIST電算学科修士課程卒業
1992~1993年−MUDゲーム'ジュラー紀公園'開発
1993年−NEXONを共同設立
1995~1996年−世界初のMMORPG、「風の王国」を開発およびサービス
1998年−Leneageを開発
2000~2003年−NCSoft副社長、開発総括を担当
2003年−XLGames創立、現XLGamesの代表理事
2005年6月−XL1Neowizとパブリッシング契約を締結
2006年~−次世代MMORPG、'Arc age'開発中


■関連記事
【おた日和】第四十話 オトコの娘
【建物萌の世界】 第一回 「けいおん!」的ホテル
デビュー40年、ジャッキー・チェン祭が映画関連5社連動で開催
【特撮映像館】Act.45 吸血鬼ゴケミドロ
【宙にあこがれて】第一回 記念の年