アルゼンチン戦に続いて行われたアウェイでの韓国戦は0ー0の引き分けだった。積年のライバル関係ということもあり、選手たちのモチベーションは高く、スタジアムの雰囲気も公式戦に近いものだった。

お互いのプレスも激しかったし、アルゼンチンに勝ってウキウキしているときに、こうした相手と戦って苦戦したというのは、長い目で見たチーム作りを考えたときに、非常によかったんじゃないかな。それぞれのクラブへ帰っていく選手たちの目も、良い意味で厳しいものだったからね。
 
この2試合を振り返ってみて、W杯時のチームと比べて一番大きく変わったことは、単純にメンバー構成だよ。戦い方自体は、ディフェンスを基盤にカウンターをしかけるというところで、あまり変わっていない。というかこの短期間でそうそう変えられるものでもない。

メンバーが入れ替わったことで、今後のJリーグでも良い競争が生まれてくる。たとえば関口訓充が選ばれた仙台の他の選手たちは発奮するだろうし、前田遼一のプレーに刺激を受けたJリーガーはたくさんいるはずだ。

そうした意味で、この2試合は結果、内容はもちろん、非常にポジティブな戦いだったと思う。アルゼンチンに勝って盛り上がり、本気の韓国と苦しい戦いを経験した。ザッケローニ新監督はこれ以上ないスタートを切れたね。
 
さて、次は来年のアジアカップになる。アルゼンチンに勝ったことで、コアではない一般層にも新生日本代表を知らしめることになったが、それは求められるレベルが上がることも意味する。アジアカップでは、海外組を呼べる呼べないにかかわらず、当然、優勝という言葉も出てくるだろうね。

そうしたプレッシャーの中で、どういう戦いを見せられるか。ザッケローニの価値が問われる最初の大会となる。彼はアルゼンチンの選手は知っていても、アジアのことはほとんど何も知らない状態だ。つまり、日本がチャレンジャーではなく、引いてくる相手を攻めなければならない強者の立場になる状況。その現実を初めて目の当たりにすることになるのだから、どんな戦術、采配を振るうのか、非常に興味深い。
 
もっとも、アジアカップの結果次第で進退問題うんぬんという話にはならないだろう。協会だって大金を払って、苦労して連れてきたわけだから、そうそう手放しはしないはずだ。それなりの結果を出していれば、まず2年間は安泰なんだ。

だからなおさら、縮こまったサッカーをせずに、思いっきりやってもらいたいね。ファンはそこを期待している。クビにならなくても、支持率が下がってしまうのでは意味がないからね。(了)