――頭でイメージしてる音は、バンドで鳴らそうとした時に4人編成で再現できるんですか?

マリアンヌ東雲:ストリングスとかラッパが入ってたり、いないはずの人が頭の中で演奏してて、むしろ余計なものがいっぱい入ってたりもしますよ。でも、実際ストリングスとかラッパはいないから、ラッパはファズギターで代用したり。必ずしもバンドの編成に乗っ取った形で出てくる訳じゃないですけど、結局は4人でやってかなきゃいけないので。最近はようやく、その辺を考えて曲の構想を練るようになったと思います。それをメンバーに伝えていくのが結構面倒臭いんですけど、それを怠けると曲が出来ないので。

――キノコホテルを始めるに際して、こういう音楽をやっていきたいとか、こういう言葉を伝えていきたいというのはあったんですか?

マリアンヌ東雲:私の場合はまず曲ありきで、詞は誰かが書いてくれるんだったら、もう丸投げしちゃってもいいぐらい、詞での表現に執着が無いんです。あまり言葉で訴える事に興味がないし、自分も普段音楽を聴いていても、歌詞を熱心に追う事は基本的に少ないです。メロディとかベースラインとか、展開のここがいい感じだなとか、音でのみ音楽を捉えることが多かったので。

――ブログを見ると面白いことを書く人だなと思ったんですけど、歌詞にあまり興味は無いんですか?

マリアンヌ東雲:歌詞を書くのがもう面倒臭くて(笑)。いつも歌詞が一番最後だから、メンバー3人は歌詞とメロディ待ちなんです。先に演奏の部分をガッチリ作ってもらって、最後の最後で「えぇー!支配人まだメロディ乗らないんですか?」って言われて。「ゴメン、また来週」とか言って。それで次の週に「ゴメン、来月中にはなんとかノ」。そんな調子で、詞が乗ってないインストだけの曲だけがどんどん増えている状態です。

――他の人には書かさせないんですね。

マリアンヌ東雲:書きたいって言うコがいないんだもの。「是非、私に」って言う人がいたら、「じゃあ、添削してやるから持ってきなさいよ」って言ってね(笑)。でも、そういう主張をする人がいないから、結局やりたくなくても私がやらなきゃいけないし、メンバー3人もそれをよしとしてるんじゃないかしら。「売れたら印税入るのよ。アンタ達、書けばいいじゃない」って言うんだけど、微動だにしない。

――今回は昔の楽曲をカバーされてますが、阿久悠さんのような、いわゆる職業作詞家みたいな人に依頼するイメージもあまり沸かないですか?

マリアンヌ東雲:「誰かいい人いないかしら?」って思うけど、阿久さんはもういらっしゃらないし。今、誰に頼んだらいいか分かんないのよ。曲はなるべく自分で書きたいですけど、詞に関しては、一流の作家さんと自分の曲でというのも悪くはないし、勉強になると思うし。

――今回の6曲を選ばれた基準はありますか?

マリアンヌ東雲:元々、実際ステージでやってる曲がほとんどなので、その中からと、1番最後の曲とか、この作品のために着手した曲もありますけど。大々的にヒットした曲は無いですね。カルト歌謡だなんて売り文句を付けられてしまったものの、私はそんな認識じゃないんだけど。でも売れなかった曲ばかり。平山みきさん自体は有名だけど、あとはもう埋もれてる曲なので。かといって、曲としてダメな訳じゃないし、原曲の個性を生かしながらアレンジし甲斐があるものを選んだ感じです。