moumoon(撮影:野原誠治)
 10月に東京・日比谷野外音楽堂にてワンマンライブを行い、11月25日にはニューシングル「青い月とアンビバレンスな愛」を発売したmoumoon。3年前に制作された同曲は、毎月満月の夜に行われるフルムーンライブで披露されてきた曲となる。

――今回の「青い月をアンビバレンスな愛」は3年前からあった曲とのことですが、今までリリースするタイミングを待っていたんですか?

YUKA:そうですね。なかなかリリースするタイミングも季節感とか、少しアッパーなロックバラードというのもあったし。この曲が出来上がった時に、まだデモだったんですけど、すごく納得感というか、しっくりきた自信のある作品だから、大事にしたいなと思っていて。でも歌詞をはめて、歌を録って、客観的に聴いてみた時に、いきなりシングルで全く知らない人達に聴いて振り向いてもらえる曲なのか、自分達の判断ではまだ分からなかったんです。今も毎月のフルムーンライブだけで特別にやっているんですけど、そこでやることによって、じわじわ染み入ってくる良さが持ち味の曲なんだろうなと思っていて。お客さんの反応って「すごくいい曲だった」とか「泣けた」とか、いっぱいあるんですけど、そういう反応がすごく返ってきた時に、「これだったら、もし知らない人が聴いても振り向いてくれる強さのある曲なんじゃないかな」と改めて実感したので、今回リリースに至ったんです。

前にファンの女の子にお手紙を頂いたんですけど、「彼がmoumoonを好きだったので、私は彼のことを好きになって、彼と一緒にmoumoonのことも好きなりました。いつもライブに行っています。moumoonを聴く時はいつも彼と手を繋いで聴くんです」と書いてあって…はにかんじゃいますよね(笑)。でも、「気付いたら、なんとなく彼を遠くに感じるようになってしまいました」とか「ある日、手も繋がなくなっていたことに気付いて、別れてしまったんだけど、どうしても嫌いになれないアンビバレンスを感じています」という手紙をもらって。大好きなのに「大嫌い」と言ってしまったり、優しくできなかったり、そういう感情って多分誰もが一度は抱いたことがあると思うんです。そういう人がこの曲を聴いた時、何かが生まれるんじゃないかな、何かが変わるんじゃないかなと思って。そういう想いを込めて、聴いて欲しいなと思います。

――音源化を求める声に応えた部分もあったんですか?

YUKA:そうですね。「なんでリリースしないんですか?」という感じだったんですけど、リリースする予定は無かったので、ライブの時にデモのCDを配ったりして、それをみんな聴いていてくれたので。新宿のカフェでライブをやってる時とかも、振り向いて「CD欲しいな」という人はもらってくれたり。

――1番最初にデモを作られた時と、その後ライブを重ねて、現在こうしてリリースされるにあたって、歌詞やアレンジはまた変えているんですか?

YUKA:そうですね。歌詞の面だと本当に2箇所くらいですけど、細かい所は手直ししつつ。デモのニュアンスはすごく大事というか、あの一発目の感じはすごく良かったので、それを越える完成品を作るのはすごく大変でした。