――今回、歌詞カードを手書きで書かれたのは、なぜですか?

山口:字を書くのがすごく好きで。自分の歌詞なんで、どっちにしても清書しておこうと思ったんですよね。レコーディング中の合間とかに書いてたやつを、「じゃあこれ、そのまま載せて下さい」ってお願いして。多分、活字の方が見やすいんでしょうけど、その方がメッセージが更に伝わるのかなって。

――このデジタルな時代に普段から文字を書き慣れている、書いている人の丁寧で力強い性格が表れている字だなと思いました。

山口:ありがとうございます。字を書くのが好きなんですよね。ペンに出会うのもすごく好きで。

――デジタルというよりは、アナログな方なんですね。

山口:あぁー、アナログがいいかもしれない。やっぱり“自分がやってる感”が欲しいですね。車もマニュアルとか、“自分が動かしている感”というものが。ボタンが1個でピッてなるよりも“やりました感”が、その過程が好きなんですかねぇー。

――普段乗られている車やバイクも、割と年代ものなんですか?

山口:結構“動かし感”のあるものに乗ってますね(笑)。

――2曲目の「口笛」の歌詞について、「この願いは〜僕自身の願いでもあります」と一言添えられてますが、山口さんは小さい頃どんな子供でしたか?

山口:本当にこの詞のまんまの子供だったというか、やっぱり楽しいことがものすごく好きでしたね。自分からそういうのを見つけるのも得意でしたし。周りの友達とか、例えば席替えとかも近くに来てくれたり、僕と一緒の班になったら楽しいという空気がクラスの中に。先生も休み時間になったらすぐ僕を前に出して何かさせたり、そういう子でしたね。今考えると、ありがたいですけどね(笑)。僕もそういうのがすごく好きで。でも、目立ちたがりじゃなかったんですよね。ちょっと生意気なんですけど、「ここがいい!」と思ったら出て行く、みたいな子でした(笑)。なんでもかんでも、「えーい!」って行く子じゃなかったんですよ。人に「今、行って!」って言われても、自分が「ここは違う!」と思ったら行かなかったから。

――子供ながらに、冷静で客観的な視点も持っていたんですね。

山口:ものすごく客観的に見てましたね。だから、空気感みたいなものを作るのが好きだったのかもしれないですね。小学校・中学・高校とか「今、自分がクラスの中で、こういう立場で、こういうことをしている」というのをものすごく客観的に、その頃から見れていたかもしれないですね。特に高校生になると、青春時代って自分の存在的なものを考えたりもするじゃないですか。「俺って一体このクラスでどういう立場なんだろう?友達の中でどういうヤツなんだろう?」とか、ものすごく客観視している自分がいて。

でも「ワァー!」って言う時は、もう全く何も考えずはしゃいでるんですけど。だからこそ「あれっ?これ違うぞ」というものにすごく敏感だったり、人がケンカしそうな空気とかを察するのが早かったですね。だから「まぁまぁ」みたいな感じになって、本当に僕の周りにはあまり争いごととかケンカが起きなかったんですよ!(笑)。分からないですけど、アホらしくなるんですかね。本当に嬉しいんですけど、そういう性格だったんで、先生からヤンキーから勉強できる子から学校来ないヤツから、もうみんなと友達でしたね。高校の時は職員室に行っても先生のモノマネを振られたり、先生からも「お前がいたら面白いなー」って言われて、本当に好かれてましたね。