――モノマネは、小さい頃からされてたんですね。

山口:小学校からやって、中学ぐらいから先生のモノマネをやって。男の子って高校で結構、だんだん声が太くなってくるじゃないですか。先生のモノマネが似るようになってくるんですよね。僕は高卒で働いて、それ以上は先生というものを知らないので、高校の時の先生のモノマネがもう1番のピークでしたね。1年・2年・3年からバァーって見に来て、クラスが学年になって、学年がもう全校生徒になって、その前で何かをやるという、ちょっとヒーロー的存在になってましたね(笑)。先生も「アイツはそういう奴だ」みたいな感じの、学校の中での認知度がついてましたね。

――色んな方のモノマネをされていると、こうして自分のオリジナル作品で歌う時に、自分のオリジナリティーがちょっと分からなくなったり、気が付いたらモノマネしてたみたいなことはないですか?

山口:それは全く無かったですね。多分、自分の気持ちいいものが自分の声であり、やっぱりモノマネって声を無理するんで、“やってます感”があるんですよね。もしかしたら、出し方によっては、自分が素直にワァーって歌った時に出ている声の中で、誰かに似ていることはあるのかもしれないですけど。自分では全く、自分の声で歌っているという感じなので、その意識は無いですね。

――4曲目に「世の中そんなに捨てたもんじゃないぜ!」という曲がありますが、世の中に対してどんなイメージをもたれていますか?

山口:僕は、ものすごくいい世の中だと思いますね。ただ、使い方というか、ものすごくいい環境があるのに使えてない。多分、使い方を間違えているものが目に入ってくるんですかね。日本しか知らないので海外のことは分からないですけど、交通の便もすごく便利で、食べ物もたくさんあって裕福なのに、ある一部なのか人なのか、色んな所のわがままなのか、そういう「己だけが」という考えが、個人単位のも、グループ単位のも、もう僕達が太刀打ちできないほどの組織単位のもあれば、わがままなものが全て、せっかくのいい環境を濁していってるというか、傾けていっているような気がしますね。

――この曲について「いい人に会うと、本当に生きるパワーをもらいます」とメッセージを書かれてますが、山口さんから見て「いい人」とはどんな人ですか?

山口:自分を大事にしているのと、情熱的なことと、しっかり夢を持っている人とか。あとの要素はもう“ええ感じの人”ですね。その人間同士、オスオス、オスメスの「あっ、なんかええ、この人」みたいな感じの人ですね。そこはもう、ちょっと言葉に表せないですけど。自分が好きな人とか、自分に優しい人とか、自分を大事にしている人って絶対、人に対して自然に優しくなると思うんですよね。多分、人を傷付けている自分が嫌いだと思うから。出会って「ええ人やなぁ」という感じの人って大体、皆さんそういう人ですかね。多分、人を思いやれることはその次というか、まずは自分が大好きで、でもワガママ言ってる自分は嫌いなんですよね。人に優しくしている自分が好きだから、優しくするんでしょうね。