ここが変だぞアメリカの携帯

iPhoneやAndroid端末のお膝元であるアメリカではタッチパネル搭載のスマートフォンが日本と同様に大きな話題となっている。しかしアメリカではどのような端末が人気なのだろう? 日本との違いはあるのだろうか。

アメリカでも繁華街に行けば若者がiPhoneを片手に音楽を聴いたりWEBブラウジングをしている光景を目にすることは珍しくない。しかし街中で多くみかける携帯電話には、日本と違う一つの特徴があるのだ。

アメリカの携帯電話ショップを訪れてみると、実に様々な端末が販売されている。

日本風の折りたたみ式、韓国メーカーに多いスライド式、そしてストレート型など一通りのスタイルの端末が販売されている。だが売られている製品をよく見てみると、ある特徴的なハードウェアを備えた端末が多いことに気がつく。それはフルキーボードだ。

フルキーボード搭載の携帯電話と言うと日本ではスマートフォンくらいで、一般的な携帯電話ではごく一部の製品が搭載しているくらいだろう。日本の携帯電話は10キーで快適に日本語が入力できるように入力システムの変換効率や辞書が進化しており、長文入力ですらフルキーボードの必要性は低くなっている。一方、アメリカではフルキーボード端末が花盛りなのだ。それもスマートフォンだけではなく、テキストメッセージ専用端末のような比較的低価格のモデルにもフルキーボードを搭載しているモデルが多いのがアメリカスタイルだ。

アメリカでフルキーボード端末が多い理由としては、アメリカが元々キーボード文化であることもあるが、携帯電話を使ってメッセージやメールを送りあう文化が根付いているということだろう。利用状況は、一般的な消費者が利用するのはまだまだSMSが多く、メールはBlackBerryなどビジネス用途というのが一般的だ。

フルキーボードのデザインは縦型や横型など様々だが、横型のものは一見するとストレート型携帯、しかし横にスライドさせるとフルキーボードが現れると言った形状のものが多い。また上品なコンパクト型スタイルで、開くとキーボードが現れる端末は女性向けの製品。アメリカでは女性でもフルキーボードを好んで利用するわけだ。

女性向けフルキーボード端末のLG Lotus

変わった製品としてはメールに特化した「Peek」がある。音声通話のできないメール専用端末で、サービス料金とセットに安価に販売されており手軽にメールを利用できる。安価なメール端末の対極にあるのは有名なBlackBerryだ。もはやビジネスパーソンの普及率は100%と言えるくらい高い。iPhoneを持っていながら仕事用にはBlackBerry、を所有して使い分けるという人も多いようである。SMSの利用なら入力文字数も少ないため10キーでも何とかなるのだろうが、長文のメールを打つ場合、アメリカ人にはフルキーボード利用が必須なのだろうか。

同じアルファベット文化のヨーロッパでもここまでフルキーボード端末の種類が無いことからすると、アメリカ人はよほどキーボードが好きということなのだろうか。だが携帯電話の利用スタイルから考察してみると、まだ音声通話とSMS利用が中心であり、コンテンツやインターネット利用はあまり普及していないという背景があるように感じられる。そのためか携帯電話のディスプレイサイズもQVGAクラスの製品が多いのも目立つ。

メール専用機、Peek

iPhoneのようなモバイルインターネット端末はブラウザを多用することから、画面をタップしてリンクやオブジェクトを選択できるタッチパネルが使いやすい。iPhoneが爆発的に売れているアメリカでも今後は携帯端末からのインターネット利用が増え、いずれはタッチパネル端末の割合も大幅に増加していくだろう。それはフルキーボード端末の代名詞であるBlackBerryがフルタッチ端末「Storm」を市場に投入したことからも見えてくることだ。

とはいえ、最近の新製品では、確かにタッチパネルの搭載は進んでいるのだが、やはりアメリカではフルキーボードが必須の入力デバイスになっているようだ。SamsungやLGの最新機種は「フルタッチ+フルキーボード」を搭載しているし、Andoroid端末の最初の製品もその組み合わせだ。iPhoneがどんなに売れようとも、アメリカではフルキーボードを搭載した端末は根強い人気と需要があるようだ。

アメリカの展示会でみかけたSamsungのフルキーボード端末ラインナップ

ちなみに10キーを使った英語入力には少ない打鍵で英単語を効率的に入力できる「T9」方式があり、利用者も多い。しかしアメリカでは「T9よりフルキーボード」と考える消費者の割合が他国より高いように思えてならない。携帯電話ショップ内に展示されているフルキーボード搭載端末の割合を調べれば、おそらくアメリカが一番となるだろう。

アメリカでも携帯電話の高機能化やフルタッチディスプレイ搭載化は進むだろうが、フルキーボード搭載端末の数が減ることはなさそうである。

山根康宏
著者サイト「山根康宏WEBサイト」

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